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「高知競馬」という仕事


2003年5月19日 夕刊

  高知競馬に“強走馬” イブキライズアップ15連勝

15連勝を飾ったイブキライズアップ。花本騎手がガッツポーズ(18日、高知市長浜の高知競馬)  高知競馬の5歳馬「イブキライズアップ」が、ぶっちぎりの連勝を重ねている。中央競馬時代の故障を治した後、2戦目からすべて圧勝。18日には高知競馬のエース級を相手に余裕の15連勝目を達成した。「こんなすごい馬は初めて」と口をそろえる関係者。早くも「全国区で勝負を」との声が出始めている。

 もともと左前脚の靱帯(じんたい)に故障を抱えた馬で、骨の成長が遅い血統。中央競馬では1回走ったが9着。その後もけがで走れないまま、一昨年秋に高知競馬に移籍。調教師や厩務(きゅうむ)員が治療を重ねてきた。

 故障した脚は徐々に回復。昨年1月の初戦こそ3着だったものの、その後はほかの馬を引き離して連戦連勝。しかも全力疾走をせず、騎手のむちも入らないまま、「ほかの馬をなめきったような」(騎手の1人)圧勝ばかり。

 18日には最も格上の「A1」級に初挑戦。スタートで出遅れて6番手での追走となり、騎手が3コーナー手前で「初めてのむち」。ぐんぐんペースを上げると、ひときわ大きな歩幅で差を詰め、高知のエース級各馬をあっという間に置き去りにした。

 これで15連勝。昭和47年のプランジャー(20連勝)に迫る勢いだが、同競馬で実況を担当する橋口浩二さん(36)は「高知での連勝が話題になるレベルの馬ではありません。底知れない強さ」と興奮気味。

 「私が実況で10年見てきた中でも間違いなくトップ級です。久しぶりに全国区で勝負ができる馬が現れました」

 担当騎手の花本正三さん(40)も、「騎手生活24年でこんなすごい馬は初めて。初めて乗ったときから背の感触が全く違うんです。振動もなく高級外車でふわーっ、ふわーっと柔らかく走る感じ。全力で走らせたことも目いっぱい仕上げたこともないので、まだまだタイムは伸びるでしょう」

 地方競馬出身のスター馬では中央競馬の頂点に駆け上がった岐阜・笠松競馬出身のオグリキャップが有名。オグリは「芦毛(あしげ)の怪物」と呼ばれたが、花本さんは「同じ芦毛でもイブキは貴公子という感じ。気が早いですが、スター性も感じます。わくわくさせてくれる馬です」。

 宮路洋一調教師(48)も「名古屋競馬での騎手時代を含め、私が担当した中で最強の馬。壊さないように大事に育てたい。馬主さんの意向があれば、全国のビッグレースでも勝負したい」と夢を膨らませている。

 存廃の瀬戸際で揺れる競馬場に芦毛の貴公子。オグリのようなドラマは生まれるのだろうか―。

 【写真】15連勝を飾ったイブキライズアップ。花本騎手がガッツポーズ(18日、高知市長浜の高知競馬)


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