|
自然な流れの先に
今年の元日、三十六歳で入籍した京子さん(仮名)だが、彼女が考える「結婚適齢期」は二十代後半。子育てをはじめ、人生設計を考える上で「時間的な余裕があるから」だ。
国立社会保障・人口問題研究所が国勢調査の結果からはじき出した二十五−二十九歳の県内女性の未婚者割合は平成七年で四七・六%。三十−三十四歳の男性の未婚率は三六・三%だった。
昭和四十五年が男女ともに一〇%台だったのに比べると、いかに未婚化が進んだかが分かる。
結婚しないのはなぜか?
取材を通し、私が聞いた理由の代表例は次のようなものだ。
「本当に結婚したいと思える人に会う機会がない」(三十一歳、男性)
「ずっと一緒にやっていけると思う人に巡り合わない」(二十七歳、女性)
平成八年度に高知市の女性センター(当時)が同市で働く男女を対象に行った意識調査でも、未婚の理由は「結婚したいと思う異性がいない」「出会う機会がない」が多く、その二項目で未婚者の半数以上を占めた。
京子さんも夫の正人さん(37)=仮名=と出会うまでは、結婚したいと思える人に巡り合わなかった。お見合いめいた機会もあったが、「話が合う人が全然現れんかった」。半ばあきらめ、「一生独身でおる」と覚悟していた。
積極的に探せば
出会いは昨年七月。京子さんが働く喫茶店に、正人さんが訪れた。携帯電話のメールの話で盛り上がり、アドレスを交換。でも、互いの電話会社が違っていて、送信できなかった。「じゃあ、デートしようってことになって」。あとはトントン拍子。
京子さんは「つくられた機会やったら、意識しすぎる。短期決戦がうまくいったのは自然に知り合えたおかげ」と振り返る。
だれにもそんな幸運があればいいが、須崎市の隆さん(34)=仮名=は最近、「そう簡単にあるもんじゃない」と実感している。
流通関連の仕事をしており、仕事で接する相手はたいていが目上の男性。男女を問わず、同年代と知り合う機会が少ない。案外、営業などの外回りをしている人に共通の悩みかもしれない。
隆さんは、友人の大半が独身だったころは「まだかまん」と思っていた。ところが、一昨年あたりから友達が次々と結婚し、徐々に少数派に。「せないかん」という気持ちにはなってきた。しかし―。
「積極的に探す気になれば何とかなると思ったが、あらためて見回すと本当に出会いはない。不安だ」
趣味は旅行、スキー、ゴルフと、活動的で明るい隆さん。「不安」とは意外だ。結婚相談所やインターネットからでも、カップルが生まれる時代なのに。
だが、隆さんは「ちょっと自分の感覚と違う。自然に出会うのがベストだ」。
「そういう考え方をする若い人は多いです」と分析するのは、高知市農業後継者育成対策協議会の結婚相談員をしている中島貴美子さん(76)。農業者に限らず、広く情報を集めながら出会いづくりに尽力しているが、「紹介を嫌う人が増え、年々難しくなる」。
多くの男女を見守ってきた経験から、「どんな機会でも、自ら一歩踏み出して会うしかない」と強調するが…。
【写真】ずっと寄り添っていけるパートナーがいれば…
|