高知新聞
天気追加:
地震情報
花粉予報
中部の天気
東部の天気
西部の天気

高知のニュース
国内・国際ニュース
おすすめトピックス

高知新聞購読申し込み

携帯サイト
iPhone版も登場!
坂本龍馬の部屋

とさあち
いちの土佐
おすすめグルメガイド

ピックアップ
楽しもう英語 English is Fun!!
岩崎四代物語
高知ファイティングドッグス

まんが
きんこん土佐日記web版
単行本7巻発売!
にゅーすけっち

病院・診療所 診療科目ガイド


47CLUB高知繁盛記

ミュージアムマップ
イベント情報

音声ブラウザーご使用の方へ

47clubでお買い物

Google


 
高新写真コンテスト募集
声ひろばなど投稿
記事データのご利用
後援申請の用紙
サイトからのお知らせ


高新住宅総合展示場ライム

土佐いごっそう倶楽部

47news

釣りタイムズ
地球33番地公式サイト

企業情報
高知県内リンク
68万人社会に挑む
 第2部「ユズの村の戦略」(12)

20 自己主張
続き

未来へ向け背水の陣

 安芸郡馬路村の馬路林材加工協同組合によると、平成十一年三月の時点の杉原木の仕入れ単価(一立方メートル)は一万三千九百円、製材後の売り上げ単価は五万二千二百円だった。

伐採作業をするエコアスの職員。安芸郡馬路村は森の里復興に村の未来を託す(同村魚梁瀬)  それが、十二年九月には仕入れ単価が一万五千円になったのに対し、売り上げ単価は三万六千八百円に下落。単純計算すると一立方メートル当たりの利益は、三万八千三百円から二万一千八百円に大幅に減ったことになる。

 「山の価値が下がった。国産材が売れない」。全国の中山間地域が頭を抱えている。その中で馬路村は、あえて第三セクター「エコアス馬路村」を立ち上げ、森の里復興に向けて走りだした。

 村森林組合の乾治組合長(63)は「今まで山には、営業マンがおらんかった。一番大事ながは、どうやって売っていくかや。それができたら、可能性がぐんと出てくる」と、エコアスの取り組みに期待する。

 その上で「魚梁瀬営林署が(十六年三月に)のうなったら、治山事業は国がやるろうけんど、実際の山の仕事は流域単位で請け負わすはずや。エコアスとうちが協力したら、その受け皿にもなれる」。

 一方、上治堂司村長は「国有林が七割を占める馬路村の自己主張でもあるがです」という。

 「営林署廃止の発表があってから五年間、何もせんのやない。うちはやれることは全部やる。それでも国が森の仕事を村外に外注するとしたら、そんなおかしな話はない」

 走り続ける村

 同村にはかつて、西野真司氏という村長がいた。村の屋台骨を支えていた木材会社の倒産で地域感情が分裂する中、懸命のかじ取りをした。そして平成三年、五十四歳という若さで急逝した。しかし故西野村長がまいた種は、目に見えぬ形でしっかりと根を張っていた。

 村民はその死を悼み、「心臓破りフルマラソン」や森林鉄道の復活など一連の村おこしの流れをつくり、温泉を核にした滞在・交流型の観光に道を開いた。そして、村農協の一課長のアイデアと頑張りからユズ加工品が生まれ、「元気な村・馬路」の姿に結実した。

 過疎に立ち向かい走り続ける村には、指導力を持ったリーダーと行動力にあふれた人材が欠かせない。

 そして今、村は再び岐路に立っている。営林署統廃合と市町村合併の流れを背景に、過疎化の波が再びうねりとなって村をのみ込もうとしている。

 上治村長は言う。

 「エコアスのエコは『エコロジー』、アスはずばり『明日』。村の未来がかかっちゅう。背水の陣です。けんど、今は失敗をおそれたらいかん。成功するためにどうするかを考えなあいかん」

 そのためには、村長自らが先頭を切って走る。「職員には迷惑を掛けるけんど、役場にじっとおりよったらいかん。東京でも、大阪でも、行ったらえいところには何遍やち行く」

 農はユズ。林はエコアス。観光は温泉。山村留学が成果を挙げる魚梁瀬では、ダム湖の底土を土壌剤として活用する計画も進めている。「うちは、村にあるもん全部を生かして食べていこうとかかっちゅうがです」

 危機感をばねに地域の財産を徹底的に見直し、磨き上げ、田舎だから、山だからこそできることを考え、独自の戦略を立て実行する。

 課題もある。可能性も未知数だ。だが、県土の九割を占める中山間地域の住民がすこやかに、そして心豊かに生きていく道がきっとあるはずだ。「ユズの村」がそのヒントを投げ掛けている。

 (政治部・岡林直裕
 (写真部・吉良憲彦

 =第2部おわり

 【写真】伐採作業をするエコアスの職員。安芸郡馬路村は森の里復興に村の未来を託す(同村魚梁瀬)


【続き】

「68万人社会に挑む 目次」に戻る。

高知新聞表紙ページに戻る。  

サイトマッププライバシーポリシーネット上の著作権新聞購読お問い合わせ