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地域が母親変える
「人口減の世紀」が幕を開けた。少子化を背景に県内の中山間地域の活力が減退していく中、ユズ産業と第三セクターによる森の復興計画に地域の存亡をかける村がある。
安芸郡馬路村。
同村のユズ加工品は、村を丸ごと売り出す「おらが村方式」で二十五億円産業に成長した。集落消滅の危機に端を発した魚梁瀬地区の山村留学制度も、徐々に成果を挙げている。
一方で、これまで村の林業を支えていた魚梁瀬営林署は、安芸森林管理署に統合され、平成十六年三月の廃止が決まっている。
廃止まで残された期間はあとわずか。国有林政策に依存してきた村の体質を変えることができるのか。永続的に雇用の場を確保し、人口減に歯止めをかけることができるのか。
二十一世紀の本県の地域像を求め、県東部の山村を訪ねた。
安田川沿いにつづら折りの道を二十キロほど北上すると、黄色いユズの香りがどこからともなく漂ってくる。
昨年末発表された国勢調査の速報値によると、馬路村の人口は一千百九十五人。十年十月から十一年九月末までの県の人口移動調査では一時的に自然増に転じたものの、全体的には減少傾向にある。ただ、この五年間の減少率は三・七八%で、ほかの中山間地域の村と比べると低い方だ。
二年の国勢調査時の減少率(一二・五%)が、県内ワーストワンだったことを考えると、この十年間、なんとか持ちこたえ、踏ん張っている村の姿が浮かんでくる。
また、全国的に少子化が進む中、同村では最近では少なくなった第三子を出産するケースが増えているという。
馬路保育所によると、三十二の保護者世帯のうち、第三子がいるのは十二世帯。園児数も八年度の三十二人から微増傾向が続き、十二年度は四十三人になった。
村全体でも、四歳児十六人のうち第三、四子は六人。一歳児では十二人のうち三分の一が第三子、といった具合だ。
村内のゼロ−二歳児を持つ親でつくる「ひよこクラブ」の千葉小百合さん(38)も、六歳の男児を頭に三人の子どもがいる。
「生活は楽やないけんど、子どもは授かりもん。学校に上がった時に同級生がおるようにと、三人目を産むことがあるし、出産の祝い金もよそよりえい」という。
村は第一子の出産時に十万円、二子以降は五万円ずつ加算し支給している。都会ではできない手厚い支援制度も功を奏しているようだ。
県内の他市町村に先駆けて三年度から、村の男性と村外の女性を対象にしたお見合いツアーも実施。計六回のツアーで、十組が結婚し、十五人の子どもが生まれている。人口が二十五人増えた計算になる。
大きい負担
四年のツアーに参加した小松久美さん(36)=土佐市出身=も今では三児の母。
「共働きで残業することもあるけんど、村に子どもが少ない分、みんなが声を掛け合い、地域ぐるみで大事にしてくれる」と村の子育て環境を話す。
ただ、村内には高校がない。中学を卒業すると、高知市などで下宿生活をする子どもも多い。子育てにかかる親の経済的な負担は、ほかの町村と比べてもかなり重くなる。
少なくても十年ほど前までは、それが子どもを産む上でのためらいになっていた。だが、最近の若い母親は「兄弟は多い方が…」と、出産に前向きな意識に変わってきているようだ。
子どもは地域の将来を担う力。子どもを産みたいと思う背景には、その地域の魅力や活力が影響する。特に、閉ざされたコミュニティーになりがちな中山間地域ではその傾向が強い。
【写真】第3子を産むケースが増えている安芸郡馬路村。村の育児サークル「ひよこクラブ」でも地域ぐるみの子育てが行われている
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