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68万人社会に挑む
 第1部「人口減の世紀」(6)

少子化の背景
続き

魅力低下で晩婚進む

 ここで人口減の要因である少子化の現状と背景をみておこう。

合計特殊出生率の推移、出生可能年齢別にみた女性人口の動き  <右図上>は合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産む平均の子どもの数)の推移だ。全国をみると、一九五〇(昭和二十五)年に四・〇〇を割り込んで以降、ほぼ減少傾向が続き、七五年に二・〇〇を下回った。その後も毎年のように過去最低を記録し、昨年は一・三四にまで低下している。本県の場合、全国値を多少上回ってはいるものの、傾向は変わらない。

 「近年の出生率低下の主要因は、女性の晩婚化だ」と話すのは、国立社会保障・人口問題研究所総合企画部第四室の金子隆一室長。五〇年に二三・六〇歳だった女性の初婚年齢は、九五年には二七・六九歳と四歳余り上昇した。

 個人差があるものの、年齢が上がると妊娠のしやすさ(妊よう性)は低くなるし、出産可能な年齢にも限界があることから、晩婚化が出生率の低下を招いているのは確かだろう。さらに晩婚化の進行は、生涯未婚率(五十歳時の未婚率)の上昇にもつながる。

 晩婚化の背景について金子室長は、同研究所の調査結果で十八−三十五歳の未婚女性の約九割が「いずれ結婚するつもりだ」としていることなどを挙げて、「決して嫌婚感からではない」とし、

 「結婚の魅力が相対的に下がっている。女性の経済力が高まり、結婚した方が裕福になれるという経済的な機能は崩れてきている。結婚しないと一人前に見られないという社会的な機能も弱まった。一緒に生活してもよいという人の存在がキーポイントになるが、見つからなければ、もう少し独身でいた方がいいということになる」

 このほか育児や、仕事との両立の負担感なども結婚をためらう大きな要因となるだろう。

 金子室長は、低下が止まらない出生率の今後について「個人の行動に属する問題だから、すう勢だけで将来を見通すことはできない」とした上で、

 「イタリアやスペインなどのように、合計特殊出生率が一・一台にまで低下することがあり得ないわけではない」

 □“二重の壁”の本県

 本県の場合、若者の流出による出生可能な年齢層の減少という、より根本的な問題が横たわる。そこに晩婚化や非婚化が加わるわけだから、子どもの数が減るのも当然だろう。

 <右図下>をみると、県内の女性人口が年齢層によってどう変化していくのかが分かる。例えば、ベビーブーム世代が十歳代後半になった一九六五年、十五−十九歳の女性は三万八千三百二十三人いた。

 ところが五年後の七〇年になると、二十−二十五歳は三万三千四百六十六人に減少。その差の四千八百五十七人のほとんどが、就職や進学のため県外に出たとみられる。そして二十五歳以降は多少の増減はあるものの、ほぼ横ばいで推移している。

 この傾向はその後もほとんど変わっていない。しかも、十五−十九歳の女性の数は七五年、八五年と減っている。九五年はわずかに増えたものの、ことしの国勢調査では再び減少する見通しだ。

 この結果、本県の出生数は八三年に一万人、八六年に九千人、八九年に八千人割れと、ほぼ一直線で減少。九七年に七千人を割り込んで以降、過去最低を更新し続けている。また、人口一千人当たりの出生率も、このところ全国四十五、六位を低迷している。

 出生数の減少に歯止めをかけようにも、“二重の壁”が大きく立ちはだかる本県。今後も、基本的な流れは変わりそうにない。


【続き】

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