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行政水準が保てるか
若者が流出し、急速な高齢化が進むと、集落の自治機能が低下していく。そうした集落は、社会生活の維持が困難になり、やがて消滅してしまいかねない。
県は五年ごとの国勢調査の結果を基に、集落の状況をまとめている。
それによると、県内の集落数は一九六〇(昭和三十五)年の二千六百三十が八五年には二千六百一に減少。その後、吾川郡伊野町の天王ニュータウンの開発などにより、九五年には二千六百九となっている。<右表参照>
六〇年から九五年までに消滅した集落は三十八。そのうち二十六は過疎市町村に指定されている三十六市町村の集落だ。もっとも、消滅の原因は人口減だけではなく、ダム建設に伴う集団移転なども少なくない。
また、九五年時点の世帯数別の集落の割合(高知市を除く)をみると、二千四百十八集落のうち九世帯以下の集落は六・九%の百六十八集落。ただし過疎市町村に限ると一〇・〇%で、非過疎市町村の四・一%に比べはるかに高い。さらに十−十九世帯の割合はそれぞれ二四・一%、一〇・六%で、過疎市町村での小規模集落の多さが分かる。<右図参照>
一方、国土庁が九八年に過疎市町村を対象に行った調査によると、一千四百五十集落のうち、今後無人化する可能性があるのは百四(七・二%)。そのうち三十六集落は十年以内に消滅の可能性があるという。
ことしの国勢調査に基づく集落動向のまとめは来年になるが、県地域政策室の岡村孝雄室長は「今後も集落の消滅という事態を避けるのは難しいだろう」と話す。
さらに深刻な事態も懸念される。自治体そのものの危機だ。
ことし五月に開かれた県内市町村の助役会議。県統計課の岡林和由課長が、財団法人・統計情報研究開発センターが行った二〇二五年までの市町村別の将来人口の推計を示すと、「ことうたよ。うち(の村)はのうなるのか」との声が上がったという。
推計によると、例えば土佐郡大川村の人口は九五年の六百八十人が、二〇二五年には二百七十一人にまで減少する。岩崎敬太郎村長は
「役場などの公共機関が存在する限り、ある程度のところで減少が止まってくれるかな、との思いはある。農業にせよ、林業にせよ、若者が定住できるだけの基盤がない」
□「直轄自治体に」
人口減による税収の減少に加え、小規模自治体の財政を支える地方交付税の行方も重くのしかかる。
自治省は九八年度から交付税の算定方式の見直しに着手した。県市町村振興課の試算によると、同村の二〇〇〇年度の普通交付税は七億七千三百四十一万円と、見直し前に比べて約二千四百万円減少した。一般会計当初予算の約二%とはいえ、国の危機的な財政事情や交付税制度に対する大都市圏の反発から今後さらに減額される恐れもある。
「交付税が配分されないからといって、行政サービスや職員の給与などを下げるわけにはいかない。広い面積に住民が点在する村の現状からみて、合併のメリットはない。そうかといって、自治体として残せるだろうか」
と岩崎村長。そんな思いが、十月末の県・市町村会議での発言につながった。
「合併しても住民サービスが向上しないような自治体は、県の直轄自治体にしてもよいのではないか」
地方分権が進む中、ごみ処理や介護など広域的に取り組む必要がある行政サービスが増えつつある。小規模な町村はどう対応すればよいのか。ことし六月にスタートした県の「市町村合併・広域行政検討委員会」では、人口減への危機感などを背景に、真剣な論議が続いている。
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