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2000年問題 県内ではトラブルなし 広がる安ど感
コンピューターの二〇〇〇年問題で県内のエネルギー、情報通信、交通、医療、行政などの各機関は厳戒態勢で臨んだが、一日正午現在、県民生活に支障が出るようなトラブルは発生していない。徹夜で警戒した大勢の担当者はひとまず安どの表情を見せている。同日午後以降も警戒態勢を取る機関が多く、営業やサービスの開始日などに混乱が生じないよう万全を期し、三が日は態勢を継続する。
情報集約に奔走 県庁
県は病院局などを含め三百七十二人態勢で越年。対策本部(本部長=河野八朗副知事)は十二月三十一日午後九時、県庁正庁ホールに橋本大二郎知事ら三十人が出席して事務局会議を開催、警戒態勢に入った。
午後十一時五十分、トラブルに備えて自家発電でホールに照明を当て、職員はテレビのカウントダウンを見ながら、越年の瞬間を迎えた。
午前零時五分には早速、各市町村からファクスで「異常なし」の報告が入り始め、職員は情報の集約に追われた。情報は県のホームページにも掲載した。
4日まで警戒続行 県警
県警コンピューター二〇〇〇問題対策室は、大みそかから元旦にかけて県警本部百四十五人、県内十六署四百七十九人の計六百二十四人態勢で不測の事態に備えたが、県警内部のコンピューターシステムや信号機の誤作動などの異常はなかった。
県庁四階に設置された対策室には、室長の片江学巳警務部長をはじめ十数人の職員が、一一〇番通報を受ける通信司令室や信号機をはじめとする交通管制システムの作動状況などを明け方まで見守った。対策室は仕事始めの四日まで、引き続き警戒を続ける。
無事越年に拍手 高知市役所
高知市役所と市民病院、市消防局には三十一日午後九時以降、三百三十二人の職員が登庁し、不測の事態に備えた。本庁の対策本部には幹部職員ら四十人が詰め、午後十時半には松尾徹人市長と浜川総一郎市議会議長も登庁した。
市民からの問い合わせはほとんどなかったが、越年の瞬間は高所監視カメラが伝える市中心部の映像を全員が注視し、ただならぬ緊張感も。しかし無事日付が変わると期せずして拍手がわき、松尾市長も庁内各部局の状況報告を受けながら「ご苦労さまでした」と職員をねぎらっていた。
発電、送電異常なし 四国電力高知支店
四国電力高知支店(高知市本町四丁目)でも三十一日夜から岡林忠起支店長ら七十六人が支店内に設置した対策本部で事態を見守った。同支店によると、一日午前八時現在、伊方発電所をはじめとする主要な発電設備や送変電関係の電力系統ともに異常はなかった。
同社では昨年十一月末までに発電設備や電力系統など主なシステムのチェックを完了し、「二〇〇〇年問題が原因で停電などが生じることはない」と早々と安全宣言。しかし、ガス、水道などと直結するだけに「大丈夫と言い切ったものの、やはりプレッシャーはありました」とほっとした表情だった。ただ、午前零時四十分ごろ、社内電子メールに「異常信号」が発信されたため、原因を調べている。
平常通りの運行 JR高知駅
JR高知駅では通常の当直職員六人に加え、福家幸一駅長や三人の助役が待機した。県内の土讃線で、日付をまたがって運行する列車は高知発京都行きの夜行快速「ムーンライト高知」だけだったが、午前零時に大杉駅付近を無事通過した。
JR四国は、午前四時までに全域で自動発券機や信号機のチェックを完了。同五時二十分には高知駅から始発の普通列車が出発し、平常通りの運転が始まった。
問題発生報告なし 通信・医療
電話はNTT西日本高知支店によると、システムトラブルもなく、一般家庭からの故障、不通などの問い合わせもなかった。
携帯電話は各社とも日付が変わった途端に「おめでとうコール」などが殺到。一時、かかりにくい事態が生じたが、時間の経過とともに解消した。
四国電気通信監理局(松山市)にも、電気通信、放送分野で二〇〇〇年問題に起因するような問題発生の報告は入っていない。
医療機関のトラブルは県の対策本部に報告されていない。
ミレニアムベビー誕生 高知市
二〇〇〇年を待ちかねたように、元日未明の高知赤十字病院=高知市新本町二丁目=で元気な産声が上がった。懸命に目を開き、ちっちゃな手でお母さんの指をぎゅっと握る男の子。この子の歩む二〇〇〇年代が良い時代でありますように――。
高知市高須の田村和宏さん(29)と礼子=あやこ=さん(27)が初めて授かった赤ちゃん。日付が変わって間もない午前一時二十七分、誕生した。体重三二三二グラム、身長五一・二センチ。「お疲れさま」。ずっと付き添っていた和宏さんが、額に汗を浮かべた礼子さんをねぎらった。
和宏さんは高知市役所職員。礼子さんは長岡郡大豊町の大田口小学校の先生で、昨年三月に結婚。出産予定日は十二月二十九日だったが、気配のないまま大みそかも暮れ、高知市南久万の礼子さんの実家で、「年を越すかもね」と話し合った。
ところが、午後九時ごろになって陣痛が激しくなった。車で病院に向かい、日付が変わった午前一時、礼子さんは分娩室へ。半時間たたないうちに「オギャー」と産声が上がった。
「かわいいー、めちゃめちゃ、かわいいー」。笑顔の礼子さんに抱かれた赤ちゃんはしっかり目を開け、カメラのレンズを見つめる。和宏さんは「やさしい子になってほしい。それだけです」と目を細めた。病院には和宏さんの両親や礼子さんの母親の姿も。両家にとって待望の初孫を喜び合った。
救命救急センターのある同病院は大みそかから元日にかけ、重症患者も運び込まれた。二〇〇〇年問題への警戒も加わって張り詰めた空気が、ミレニアムベビー誕生で一瞬緩んだ。
【写真】2000年とともにやってきた赤ちゃんを、笑顔で包み込む田村和宏さんと礼子さん(1日午前2時すぎ、高知市新本町2丁目の高知赤十字病院)
年またぎ愛の誓い 高知市のホテルで結婚式
年をまたいで愛の誓い――。高知市鷹匠町一丁目の三翠園で三十一日深夜から一月一日にかけて「カウントダウンウェディング」が開かれ、ミレニアムに愛を刻んだ。
結ばれたのは高橋仁さん(45)と、さちさん(27)=旧姓門脇。東京で舞台照明の仕事に携わる仁さんと劇団四季で舞台にも立っていたさちさんは、このほど新婦の故郷、高知市に雑貨店をオープン。これを機に「堅苦しくない皆さんに楽しんでもらえるセレモニーを」とミレニアム結婚式を計画した。
演出や出し物も二人で考えた。親類や友人約四十人が見守る中、昨年のえと、うさぎの衣装で二人が出席者を出迎え。もちつきの後は庭園で、「人前結婚式」として友人らの前で誓いの言葉を交わす。
浴衣姿の宿泊客も祝福の輪に。百人ほどが一斉にカウントダウンする中、午前零時。夜空に風船が舞い上がり、大きな拍手が二人を温かく包んだ。
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