ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
生き物を育む、
豊かな海
目の前に広がる
サンゴ礁
オオスリバチサンゴ、ムカシサンゴ、マルキクメイシ、シロサンゴなど、さまざまな色、形のサンゴが生育する。愛らしいクマノミの姿が見られることもある。
公益社団法人 
トンボと自然を考える会
野村 彩恵さん
奈半利町出身。中学生の時に父親と夜釣りに行ったのをきっかけに海の魅力にハマる。8年前に大阪からUターンし、海遊びの楽しさを伝える人に。ダイビングの経験も長く、海に関する知識も豊富。海の怖さと楽しさの両面を知ってほしいと話す。
「海辺の自然学校」の体験期間は4月~10月末まで。
シーカヤックで海に浮かぶ 子どもたちに高知の良さを知ってほしい、心に残る体験をしてほしいと行っている「こうち体感ツアー」。第3回は、サンゴが生育する奈半利町のふるさと海岸で豊かな海とのふれあいを体験しました。
 夏休み最後の日曜日、奈半利町海浜センター「海辺の自然学校」に集まった親子は8組。昨日まで濁っていたという海は、キラキラと輝く紺碧のブルー。静かな凪の状態で、海遊びにはうってつけのコンディションです。
 はじめに、センター長の伊藤隆さんからシーカヤックとシュノーケリングを楽しむための注意点についてお話を聞きました。必ず親子一組で行動し、相手の存在を常に確認すること。ライフジャケットを正しく着用していれば必ず浮くので、慌てず怖がらず行動すること。足が15~20㌢の長い足があるクラゲに触れないよう注意すること。水中メガネをつけると視野が狭くなって危険なので、歩くときには絶対に着用しないことを約束しました。
 足をけがしないようマリンシューズに履き替え、ライフジャケットを着けた一行は、水に顔をつけてシュノーケリングの使い方を練習。こつを覚えたら、シーカヤックが並ぶ海辺へと向かいます。スタッフの久保さんがパドルを持って「絵が描いてある方を自分の方に向けて、頭の上に水平に持ちます。体の前にまっすぐ降ろして、斜め45度の角度で水の中に入れます」と、使い方を説明。前進、バック、回転、ブレーキなどのパドルさばきを習って、艇に乗り込みます。
 「さぁ、行くよ!」という久保さんの掛け声で、いざ海へ! 色とりどりのシーカヤックがふわりと水に浮き、水面を滑り出しました。「右、左、右」、「1、2、1、2」と声を掛け合い、力を合わせて進む親子の姿。沖合に並ぶ消波ブロックに向かって、まぶしく光る海の上を進みます。
海の中をのぞいてみよう! 奈半利川河口には、奈半利町・田野町合わせて15基の消波ブロックが並び、台風の被害からまちを守っています。これは1975年から断続的に設置されてきたもので、2002年にサンゴが着生していることが確認されました。
 「ほら、もうサンゴが見えるろう?」という久保さんの声に、海をのぞき込むと、艇の下には白い小さな山が無数に見えます。目を凝らしてみると、さまざまな形をしたサンゴです。干潮の時には手が届きそうなほど近くに見えるのだそう。
 堤防の間を抜けて外海にでると、広々と気持ちのいい大海原の風景が広がります。振り向くと、海のすぐ後ろに山が迫る、高知らしい海辺のまちの風景。あそこが奈半利港、こっちが加領郷港と、多数の港が点在する高知の海に改めて豊かさを感じます。
 堤防の内側に戻ると、艇を係留してお待ちかねのシュノーケリング。シュノーケルをくわえて水中メガネをつけたら、海へドボン! 「熱帯魚を見に行こう!」の声で、堤防の近くへ。色鮮やかなソラスズメダイの姿に歓声が上がりました。
 30分ほど海の散歩を楽しんだ後、再びシーカヤックに乗り込んで陸へ。すっかり体力を消耗したのか、相棒にパドルを任せて休憩モードの子どもたちもいます。
 シャワーを浴びて着替えた後は、伊藤さんから海のお話。奈半利の海のサンゴの成り立ちと、人工構造物にサンゴが着生することは世界的にも珍しく、日本中からサンゴの研究者が訪れる学術的な価値の高い場所であることを聞きました。
 約70種のサンゴが生育し、ウミウサギ、イセエビ、ウツボ、チョウチョウウオ、クサフグなど多くの生き物が命を紡いでいる奈半利の海。海遊びの魅力を紹介しつつ「またいつでも遊びに来てください」と、伊藤さん。「透明な海に潜れてうれしかった」「熱帯魚が見られてよかった」など、最後の夏の海を楽しんだ子どもたちです。