ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
甫喜山麓を彩る
77種類の
トンボたちに学ぶ
守るべき自然、
守りたい地球
生き物探しゲームの1位~3位には景品が手渡され、子どもたち全員に参加賞のオリジナルシールが配られました。
公益社団法人 
トンボと自然を考える会
野村 彩恵さん
日高村出身。小さい頃から虫や魚が大好きで、トンボ王国のスタッフになって13年目となる。トンボたちのすむ環境づくり、四万十川学遊館内の魚の飼育を手掛け、日々生き物と向き合う。出前授業、地域の自然体験教室などにも出向き、子どもたちに自然の面白さを伝えている。
探す・見つける・興味が湧く こうち体感ツアーの第2回は、四万十市具同にある、通称「トンボ王国」での生き物探し。ここは1985年に世界初のトンボ保護区として誕生し、これまでに見つかったトンボの種類は77種と日本一を誇ります。虫たちの生態を調査・観察し、保護する役割を担うこの園内では、通常、虫や植物の採取は禁止されています。今回は特別な許可をいただいての貴重な体験となりました。
 雨上がりの日曜日、トンボ王国にたくさんの親子連れが集まり、長袖・長ズボン・帽子に水筒と、装備もバッチリ♪
 今回の講師「トンボと自然を考える会」の野村彩恵さんから、生き物探しゲームのルールについて説明を聞きました。
 ゲームは親子2人一組になって、虫や魚、植物の名前を書いたカードの中から一つを選び、その生き物を探して捕ってくるというもの。カードはレベル1~5まであり、野村さんらスタッフが正解とジャッジすれば次のレベルに進めます。レベルが上がるごとに見つけにくかったり、捕まえにくかったりと、難易度が上がるしくみ。死んだ状態のものはNGで、生きているものを捕まえて、網やバケツに入れて傷つけないように捕ってくるのがルールです。
 一組ごとに、虫捕り用の白い網、水の中をガサガサする青い網、バケツが一つずつ手渡され、ゲームスタート! 池へ、草むらへ、木の根元へ、一斉に駆け出します。レベル1は足元をはうアリや池に浮かぶホテイアオイ、シロツメクサなど。レベル2もメダカやショウリョウバッタなどおなじみの生き物や見つけやすい植物たち。各組ともすごいスピードでクリアしていきます。レベル3になると、見たことも聞いたこともない名前が多く、「どんな虫やろ?」「どんなところにおるがやろう?」と親子で図鑑をのぞき込む姿が。「これなら触れる!」とカタツムリのカードを選ぶ子もいます。
人の手で守ることの大切さ 50分ほど暑い中を走り回り、レベル5をクリアしたのはキアゲハとドジョウを捕まえてゴールした2組。力を合わせてレベル4を達成したチームも多く、お父さん・お母さんが夢中になって網を振る姿も見られました。
 ゲーム終了後、トンボと自然を考える会の常務理事・杉村光俊さんが、この日園内で学習用に捕獲してきた数種類のトンボを見せてくれました。妖艶に黒く輝くチョウトンボ、美しいトルコブルーの胸部を持つギンヤンマ、絶滅の危機を迎えているというオオイトトンボなどなど。羽の付け根の三角の形でヤンマとトンボを見分ける方法も分かりました。
 四万十川学遊館に移動して、地球温暖化によってトンボのすみかがなくなり急激に種類が減っていること、トンボと人の暮らしの関わり、植物を含め生態系を保つことの大切さなどのお話を聞きました。杉村さんは、地域に生息するトンボの種類を見れば、水の汚染度合いが分かるといい、生物多様性の重要性を訴えます。
 トンボ王国では、1年を通じてたくさんのトンボを見ることができます。そのためには、「トンボがすむ、きれいな水のある環境をつくり、しっかりと管理をすることが重要です」と杉村さん。池には適度な光も必要で、雑草を刈ったり、スイレンの過度な繁殖を防ぐなど手入れも必要なのだといいます。
 今回は、トンボの標本を作っているという男の子をはじめ、生き物好きの子どもたちが多数参加。中には「触れない」という子もいましたが、「子ども同士で話すうちに興味が出てきて、楽しくなる子も多いです」と野村さん。小さい頃から自然に親しむこと、遊びの中で体験することが大切だと話します。
 子どもたちからは「楽しかった!」という声とともに、「なぜたくさんの種類の生き物がいた方がいいのか分かりました。守っていかないと、未来の自分たちが困ることになると思いました」という感想も聞かれました。
 美しいトンボたちの姿に、地球環境に思いをはせた一日となりました。