ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
甫喜山麓を彩る
豊かな自然
山野草に親しむ、
森での時間。
先ほど、山で採ってきた野草を味わう体験。口いっぱいに広がる野草そのものの風味に親子で顔を合わせて、笑ったり、ちょっと渋い顔をしたり。
森を育むスター 黒津 光世さん
「県民参加型の企画を通して、森の大切さを知ってほしい」との強い思いで今日の森林環境学習に力を入れる。高知県山林協会の一員として植樹、間伐、下草刈りなどの体験・活動の受け入れのほか、園内を中心にした森づくりも行っている。
自然に「触れる」という面白さ 新緑の野山にもえる5月にスタートした高知家の未来プロジェクト。その第1回「野草摘み体験」が、香美市「甫喜ケ峰森林公園」にて開催されました。本来、こちらでの野草の採取等は禁じられているのですが、今回は特別に許可をいただき、親子10組が緑まぶしい公園内に集まりました。
 まず山に入る前に、ガイドを務める高知県山林協会の黒津光世さんから注意事項の説明。すでに好奇心いっぱいの子どもたちへ、ヘビや蜂、地盤のもろい急傾斜、服装等の注意を念入りに呼び掛けると、「それでは、食料の調達に出発しましょう!」の大きな掛け声で、いざ森の中へ!
 今回のプログラムは、最初に森の中で食べられそうな野草を探し、後に山林協会のみなさんがチェック、調理してくれるといった内容。この前半プログラムでは、とにかく「食べられそう」な野草を探します。
 ところが、森の中に入ってみるや足元から、頭上までが緑一色。四方八方に野草が広がる中、ひとまず香りをかいでみたり、とりあえず柔らかそうなものを選んでみたりと、子どもならではの選考基準で次々に野草を摘んでいき、「これ食べられそう」「絶対食べられない」といった声があちらこちらから聞こえてきます。さらに道中、大きなタケノコを見つけたことで、みるみるうちに手にしたポリ袋は採れた野草でいっぱいに。
 森の中では、ワラビやゼンマイといったメジャーな山菜も、小さくて見落としてしまったり、育ちすぎて見た目が変わっていたりと、見つけるのは意外と大変。そんな山や森ならではの知識を同行するガイドさんたちがアドバイスをしてくれます。「来年のことを考えて、全部採ってしまわないようにね」との呼び掛けもあって、自然を維持するという大切さを子どもたちに伝えました。
食べる「自然」に出会う瞬間 採ってきた野草をテーブルいっぱいに広げ、後半プログラム「食べられる野草」の仕分けが始まります。
 同時に、かっぽう着を掛けた地元のお母さん方がてんぷらを揚げる準備。一同の集まった会場にぴちぴちという油の音が響く中、まずは、黒津さんが絶対に食べてはいけない野草を教えてくれます。今回、採取した野草の中で食べられないと判断されたのは、「ウマノアシガタ」というキンポウゲ科の植物。黄色いかわいい花を咲かせていましたが有毒植物の一種で、「誤って食べてしまわないように」と注意を促しました。
 驚いたのは、それ以外はほぼすべて食用可能ということ。「本当に?」と首をかしげる子どもたちの前で、黒津さんは摘んできたばかりの野草を口元へと運び、実際にその場でかじってみせながら、アク抜きが必要な野草や、てんぷら以外の調理法なども紹介してくれます。
 この間に、定番のウドやヨモギをはじめ、ユキノシタやドクダミなど日常ではめったに食すことのない食材も次々と中央のテーブルに運ばれてきます。ついにはタンポポの花のてんぷらまでもが登場し、子どもからも大人からも「えっ、食べられるんだ!?」と驚きの声。
 自分たちが摘んできた野草のてんぷらを前に、まずは気になる一品をお箸でつかんで、少し恐る恐る、時にはガブッと一口でいただく子どもたち。生まれて初めて食べる野草の味と独特の食感に「不思議な味がする」「ちょっとすっぱいけどおいしいかも」と新鮮な感想と笑みが飛びだしました。
 プログラム終了後は、「もしもの時に、今日の経験が頼りになるかもしれない」との感想も多く寄せられ、「学校では学べない知識」と体験に満足した様子でした。