ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
協力:津野町/JA津野山/高知県森と緑の会
四万十源流茶 応援スター 高橋 寿宏さん
JA津野山で茶の担当になって8年。茶の生産者を応援し、耕作放棄により荒れ果てた茶畑の再生も手掛ける。地元小学生を対象に、お茶に興味を持ってもらう活動もポジティブに実施中。
 昨年の「ニッポンイチ体感ツアー」に続いてスタートした「こうち体感ツアー」第1回は、茶摘みと釜炒り体験。梅雨の晴れ間に恵まれた6月18日、津野町船戸にある「道の駅布施ケ坂」に、10組の親子が集合しました。
 津野町は古くからの茶どころ。急峻な山々の斜面に茶畑が整然と並び、茶摘みの季節には美しい山里の風景が広がります。水はけの良さと茶畑を包む朝霧、昼夜の寒暖差がおいしいお茶を育みます。現在この地域のお茶を「つの茶」としてブランド化し、加工品への利用など需要拡大を図っています。
 お茶摘みの指導をしてくれるのは、JA津野山のお茶担当、高橋寿宏さん。参加者と一緒に道の駅から歩いて10分ほどの桂地区の茶畑へ向かいます。
 ふわりと漂うお茶の香りに包まれて、いよいよお茶摘み体験。今年は4月18日から一番茶を摘み、今は二番茶の時季。まだ開いていないツンと尖った葉の下に、やわらかな葉が2枚ついた「一芯二葉」の新芽を探して摘んでいきます。摘み取るときの「プチッ」という手応えに「おもしろ~い」の声。「夏も近づく八十八夜~♪」という歌声も聞こえてきます。
 手にしたポリ袋いっぱいに摘んだお茶の葉は、大きなカゴへ。冷たい水出し新茶でひと息ついていると、お茶生産者の野村益運さん、さえさんご夫妻が丸くカーブしたのこぎりのような茶摘み機を持って登場。2人で畝の両側から機械を支え、畝の表面をスーッとなでるように動かしていきます。刈り取られた茶葉は、風の力で袋の中に。あっという間にカゴがいっぱいになりました。
 ふと見上げると、高い所に扇風機のようなものがいくつも。「あれは何ですか?」の質問に、「春先に新芽に霜が降りるのを防ぐファンです」と野村さん。新芽は霜にあたるとダメになってしまうため、絶えず上空から風を送って霜の被害を防ぐのだと教えてくれました。
 収穫した茶葉を道の駅まで持ち帰り、次は釜炒り体験。「自分くのお茶は全部自分で作りゆう」と言う久原良充さんの指導の下、大きな鉄釜に茶葉を投入。木の棒としゃもじを使って釜の中を大きく交ぜ、時々上下を返しながら4~5分。釜の底がバリバリと音を立てたら上げ時です。むしろの上に布巾を広げ、熱々の茶葉を包んで右に左に体重をかけながら揉んでいきます。茶葉がしんなり、くるんと丸まったら、網棚の上に広げて天日干しに。「これがお茶?」と、普段見慣れない形に不思議そうな参加者たちです。
 「釜炒りやってみる?」という久原さんの言葉に、次々に挑戦。茶葉を釜に入れるとあたり一面にお茶の香りが広がって、火が入るにつれて香ばしい匂いに変化していきます。「熱い」「煙で目が痛い」「いい匂い!」などの声が聞こえて釜炒りはにぎやかに続き、熱々のお茶を揉む手つきもよくなりました。1時間半ほどかけてすべて炒りあげ、「普段できない体験ができた」「いつもお茶を飲んでいるけど、作るのは大変だった」などの感想が聞かれました。
 仕事を終えたあとのお昼ご飯は、地域の皆さん手づくりの田舎寿司と塩むすび、そして自分たちで作ったお茶。おかずは摘みたて茶葉の天ぷらです。サッと揚げた天ぷらは、ほんのりとした苦味の後に、お茶の香りがふわっと鼻に抜ける美味。「初めて食べた」「おいしいね!」と、季節の味に舌鼓を打ちました。コンニャク、タケノコ、ミョウガ、シイタケなど、山の幸を使った田舎寿司も大好評。風情ある茶堂から茶畑を眺めつつ、ふるさとの味を堪能しました。