ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
特 集 ニッポンイチ体感ツアー 第2弾
お宝がどっさり! 黒潮の流れがつくる好漁場。「海の恵みをいただく“漁” 感謝の気持ちを忘れずに!」
魚がたくさんとれた恵みの海
 黒潮の恩恵を受ける高知県は、おいしい海の幸が豊富。とりわけカツオのたたきが大好きで、1世帯当たりのカツオの年間購入量は日本一(※)となっています。
 土佐湾を囲む高知県沿岸には漁師町が多く、漁業は大切な産業。ニッポンイチ体感ツアーの2回目は、中土佐町上ノ加江での漁業体験を行いました。あいにくの雨模様となりましたが、風はなく海は穏やか。かっぱを着こんでの体験となりました。
 上ノ加江漁協では、12年前から漁業体験に取り組んでおり、子どもから大人まで、カニ、イカ、エビなどのかご漁体験や、捕った魚を料理して食べる食育体験などを行っています。
 漁業体験プログラムを担当する松丸梨佳さんは、地元で鮮魚店を営むご両親の元に生まれ、この海を遊び場に育ってきました。魚のことも海のことも詳しく、子どもたちにとっては頼りになるお姉さんです。
 今回、親子で挑むプログラムは、カニかご漁、カツオのたたき作り体験、そして和船体験。はじめに、56年間海で働いている地元漁師の出来良典さんからお話を伺いました。
 土佐沖には黒潮が3~5ノットの速さで流れており、その境にあたる「潮目」にはプランクトンが集まり、たくさんの魚がやってくる好漁場。カツオの群れの上には海鳥の群れが舞うので、それを目印に船を走らせます。春先の上り潮に乗ってやってくるカツオは水面近くを泳ぐので、それを引き縄漁という漁法で捕り、5月頃になると水温の低い深いところを泳ぎ、引き縄ではかからないため一本釣りのカツオ船が活躍します。
 出来さんがカツオ船に乗っていたのは、30代半ばまで。「26~27歳の頃が、一番活気があった」と振り返ります。かつてはブリやアマダイ、ハモなどの近海魚が大量に捕れ、日々浜に大漁旗がはためいたといいます。その後、「海水温の変化によって魚場が変わり、漁の仕方も変わってきた」と出来さん。今では土佐湾近海でのカツオ漁は少なくなっているものの、土佐人のカツオ好きは変わっていません。

※総務省統計局家計調査 家計調査のデータは都道府県庁所在地の市をベースとしていますが、今回は便宜的に都道府県別として取り扱っています
鮮度抜群! 捕れたてのおいしさ

 お話を聞いたあとは、カツオのたたき作り体験。漁師さんがカツオを手早くさばいて焼き網の上に。ドラム缶にわらがくべられると、勢いよく炎が上がります。4~5人で焼き網を支えて火の中に入れると、わら焼きの香ばしいにおいがあたりに立ち込めます。塩をふっただけのシンプルなカツオのたたき。「おいしい!」と目が輝きます。
 雨が弱まるのを見計らって、カニかご漁に出発。班ごとに船に乗ってポイントに向かい、海に沈めてあったかごを引き上げると、「あ!なんかおる!」「カニや!青いで!」と驚きの声。約20個のかごを引き上げ、港へ帰って確認すると、エガニ、ワタリガニ、フグ、ヤドカリなどどの班も大漁!卵を持ったメスのカニは海へ返し、これから食べるカニはたわしで表面をこすって泥を落とします。
 漁を終え、次は和船の体験。和船は昭和30年代まで活躍していた大敷網を引く船で、大人が10人ほど乗れる大きなものでした。
 船を降りるとそろそろお昼。食堂のテーブルには、鯛めし、ハモのわかし汁、カツオのたたき、鯛の煮付けなどのお膳と、本日の収穫であるカニ、タコ、突然船に飛び込んできたボラのたたきも並びます。
 漁師さんたちも一緒にテーブルにつき、「カニはこうやって割るがで」と、食べ方を伝授。「おんちゃんらぁ子どもの頃はこれで遊んだで」と、カニのハサミのおもちゃも作ってくれました。
 海の生き物に触れる体験、自分たちで捕ったカニやタコを食べる「いただきます」の体験。「おもしろかった」「また来たい!」の声がたくさん聞かれました。「感謝の気持ちを忘れずに、海の恵みをいただいてほしい」と松丸さん。
 四季折々に、いろいろな海の幸に出合える上ノ加江漁港。これから来年の春先にかけて伊勢エビ漁が盛んになります。

焼き立てのカツオのたたきを試食。
「おいしい!」「香りがすごい!」と次々に口に運んだ
勢いよく燃える炎の中で、カツオの皮目がチリチリと焼ける様子を真剣なまなざしで見つめる
漁業体験スター
松丸 梨佳さん
上ノ加江の鮮魚店に生まれ、海で遊び、海からいろいろなことを教わって育った。一時は県外で暮らした経験もあるが、今は上ノ加江に戻り、上ノ加江漁協の職員として働く。面倒見がよく、体験活動に訪れる子どもたちともすぐに打ち解ける。魚の名前にも詳しく、海の知識を授ける人