ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
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特 集 ニッポンイチ体感ツアー 第1弾
ずっと守られてきた“仁淀ブルー”を未来につなぐ。「いつも心の中に美しい川を。仁淀川を誇りに思ってください」
 ニッポンイチ体感ツアーの第1回は、日本一の水質を誇る仁淀川。写真家の高橋宣之さんと共に、安居渓谷を訪れました。
 高橋さんは、仁淀川上流の神秘的な青に魅せられて、25年前から四季折々の川の姿を撮ってきました。3年前、高橋さんが撮った映像を中心に仁淀川の美しさを紹介するテレビ番組が製作・放送され、全国的に「奇跡の川」として有名になり、「仁淀ブルー」の言葉が生まれました。
 あいにくの雨となったツアー当日。参加親子が仁淀川町の宝来荘に集まり、高橋さんのお話「仁淀ブルーに出合える谷」からスタートしました。
 仁淀ブルーをつくり出すのは、広大な原生林に降る豊富な雨。この周囲一帯は変成岩帯で地盤が硬い岩盤でできているため、水が濁りにくいのだそう。急峻な山々の間を縫うように流れる全長124キロの川は高低差が大きく、源流点から流れ出した水の流れは速く、2日で海にたどり着きます。大雨が降れば川の水は増し、激しい濁流となって自然の驚異を見せつけますが、「その5日後には美しい仁淀ブルーが出現します」と高橋さん。川底はきれいに洗われ、透明度を増した水の中では40メートルほど先までくっきりと見えます。
 地球上の水の97%が海水で、淡水は3%。そのほとんどが沼や湖、氷河となってとどまっています。川のように流れている水はわずか0.01%に過ぎません。美しい川を持つ国そのものが少なく、仁淀川、四万十川などの清流を持つ高知県はとても幸せな場所。上流の山から湧き出したばかりの新鮮な水は特に清らかで美しく、仁淀川を誇りに思ってほしいと話します。
 仁淀川の美しさが今にあるのは、なんといっても流域の人が昔からこの川を愛してきたから。ここには川と生きる風土があり、それこそが未来に残していくべき宝。「ぜひ川に親しみ、川を好きになって、心の中に美しい川を抱いて人生を歩んでほしい」と子どもたちに伝えました。
 お話の後は、水着に着替えていざ仁淀川へ。高橋さんが仁淀ブルーを撮る撮影ポイント、水晶淵へと向かいます。高くそびえる山の真下を流れる川を横目に歩く一行。昨年の大水の際に大岩が水流に押し倒され、景観が変わったという荒男谷、広い河原で川遊びを楽しめる乙女河原、そこから10分ほど奥に進んだ所にある飛龍の滝など、見どころ満載の仁淀川。秋には錦絵のような紅葉も楽しめます。
 15分ほど歩くと、吸い込まれそうなほど美しい青緑の水をたたえる水晶淵に到着。子どもたちはライフジャケットを身に着け、水中眼鏡を手に取ります。水中眼鏡の内側をヨモギの葉で拭き、曇り止めをしたら準備OK。「ひゃ~、冷たい!」と言いながらも、元気いっぱいに潜ったり泳いだり。「あ、魚がおる!」と、アユに出合った子どももいます。
 宝来荘に戻り、お風呂で体を温めた後は、乙女河原でバーベキュー。炭火で焼く仁淀川産アユの味は格別です。肉も野菜もモリモリ食べて、おなかいっぱいになりました。
 小雨の仁淀川体験をした子どもたちからは「寒かった」という声が聞こえる一方で、「楽しかった」の声が多数。「プールと違って水が透明やった」「流れが速くて体がグッと押された」「水が緑色できれいやった」などの声も聞かれ、全身で仁淀川を感じる一日となりました。
 バーベキューの間にも雨は激しく降り続け、川はあっという間に増水し、午前とはまったく異なる様相に。川は自然の怖さをも教えてくれました。
 仁淀ブルーの出現率が高いのはこれからで、8月の終わりから1月にかけて雨の数日後がチャンス。世界屈指のブルーに出合えます。
高橋さんが撮った仁淀川の映像を見ながら、川での体験や川への思いを聞きました
乙女河原で川を眺めながらのバーベキュー。参加者同士、交流を深めました
仁淀ブルースター
高橋 宣之さん
1947年高知市生まれ。1973年よりフリーランスの写真家になり、以来郷土の自然にレンズを向ける。1990年ごろから仁淀川流域の本格的な作品作りにとりかかる