ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
第1話
庄野 孝也さん
NPO法人 とかの元気村役場 村長・理事長
斗賀野地区自治会 会長
佐川観光協会 理事
 青青とした田んぼは、斗賀野小学校の子どもたちの実習田です。小学校や保育園、公園のすぐそばにあります。毎年、田んぼを提供し、もみまきから田植え、稲刈りから餅つきまでを支援しながら一緒に汗を流す、地域の大人たち。あぜ道に掲げた丁寧な立札や田んぼへ渡る丸木橋に、行き届いた視線が感じられます。「NPO法人 とかの元気村」は庄野孝也さんが理事長を務めており、会員数は総勢167人もいます。ちなみに地名は「とがの」でも「とかの」でも通じますが、あえて「とかの」と濁らないのが素直さなのだそう。
会ができた理由をお聞きすると、「佐川町には多種多様な分野で活動をしている人たちがいますが、つながってはいなかった。そうした人たちに呼び掛けて、大同団結して新しい組織をつくり、平成16年にNPO法人化しました」
活動は平成19年に自分たちで建てた「とかの元気村役場」を拠点に、農業振興・健康福祉・文化教育・地域づくりの各部会で行っています。中でも文化教育では、「斗賀野の子どもたちを地域の手で育てよう」と、保育園や小学校を積極的に支援しています。
「昔はよその子も自分の子と同じように叱っていたでしょう。今は悪質ないたずらをしても、叱れない。家族単位の生活で、子や孫に教える機会も減っている。それなら自分たちでおせっかいをしようと、斗賀野の子どもを見守り育てる雰囲気が自然にできてきました。だから、何かをお願いしても皆が協力してくれます」。継続してきた成果が認められ、平成26年11月には高知県文教協会の「こども教育サポート賞」を受賞しました。図書館や公園など町の指定管理者としての運営先も4施設に増えています。あるとないとでは地域がぜんぜん違うといえるほど地域に密着した活動は、全国にも誇れる展開を見せています。
 40年間、高知市内へ通勤していた庄野さん。引退してからは、長年地域の活動に関われなかったこともあり、「何か手伝うことがあれば」と言ったのが活動の始まりでした。ずっと持っていた、ふるさと斗賀野へのあふれる思い。
 「佐川町の中でも斗賀野は特に住民のまとまりが強い土地柄で、田舎のよさが残っています。向こう三軒両隣みたいな隣近所の付き合い。昔から人口も多くてお米が取れて、豊かなところ。とかの元気村の活動は皆さん、好きだからこそ関われるんです。今の社会で少なくなった、子どもたちへのおせっかい焼きが楽しい。斗賀野が好きで移住した会員もいますし、外から来た人をそのまま受け入れる気質は斗賀野の伝統でもあり誇りです」
 昨年の受賞がきっかけとなり、学校支援は有償も含めて本格的に動き出しました。作物を育てる農耕支援の分野だけでなく、会員の教員OBによる学習支援など、活動の幅がだんだん広くなっています。子どもたちの学びが豊かになるよう、体育や家庭科など、会員ができることを挙げてもらい、情報を登録しています。何らかの形で食育も支援できればと考えているそうです。
 「子どもたちが将来、外へ出てもいずれ帰ってきて、斗賀野に住んでくれたらと願っています。活動にも地域の子育て世代がもっと参加してくれるよう、アプローチをしていかねばなりません。行政と協働しながら地域全体に活動を浸透させていきたい。たらふく秋まつりなどイベントによる斗賀野ファンを増やすことも、定住人口の増加につなげられれば」
 佐川全体で活動する人がつながって、親しい交流の流れが出てきたところ。さらに面白く深まりそうな予感。今年は大町民運動会を復活するべく、計画を立てています。
「毎年、誰かが田んぼに転ぶ」ことも見守りながらの田植えです
虚空蔵山は斗賀野のシンボル。会では公園の管理を町から受託しているので、草刈りなど手入れをします。小学校の遠足前には下見も怠りません