ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
 高知に育ち、18歳で上京して就職。25歳で帰高した後、高知商工会議所や高知県庁などに勤務し、高知の盛り上げ役として心血を注いだ今城逸雄さん。現在は高知大学で地域の担い手を育てるべく教鞭を執る。今後、よりよい地域を築いていくために必要なものは何か、今城さんに聞いた。
―今後、地域の明るい未来のために必要なものは何でしょう?
今城
 自分がこうありたい、こんなことを実現したいという夢や希望を思い描ける、可能性を追い求めることができる環境です。どんな仕事をして、誰とどんな暮らしを営むか。今の生活を「どうせ田舎だからこれぐらいでいいや」と中途半端に満足せず、よりよい自分を実現するために、チャンスや出会いを大切にして希望を膨らませてほしいですね。
 都会に比べ、小さなコミュニティーでは自分の思いを発信する機会も多く、それに対するリアクションも得やすい。手触りを感じながら暮らすことができます。
―人口減少の一途をたどる中、地域の活力をどうやって維持し、運営していけばよいでしょう?
今城
 一人一人が地域の良さを誇りに思い、子どもたちに伝えていくことです。自分たちの住んでいる地域を好きになって、いいところをみんなで共有し、そこにあるものを堂々と自慢していきましょう。
 そして、子どもたちを地域の活動に参加させましょう。大人と同じように働いて汗を流し、見知らぬおじさんに「よう頑張ったなぁ」と褒められることが大切。自分が地域に役立っていると感じる一歩です。育った土地の良さをきちんとわかっていれば、県外に出た若者も帰ってきます。ぜひとも次世代に手渡していかなくては。
―「地域の良さ」に気づいていない人も多いです。どうすればそれに気づくことができるでしょう?
今城
 県外からの観光客に高知の見所を聞かれ、「いやぁ、これといってないですねぇ」と言ってしまうことはありませんか?謙遜もあると 思いますが、長崎でタクシーに乗り、運転手さんに「坂本龍馬のふるさとへようこそ」と言われハッとした経験があります。地域の良さって、その価値に気づかず「○○なんて大したことない」と思いがちですが、もっと素直な気持ちで近くに目を向けることが大事です。そこは県外、海外から来た人たちに倣うべきところが多く、彼らは高知の良いところをよく知っていて、おもしろがって「いいね!」と言ってくれています。その視点を大事にして、お調子者、バカモノになりきって「これいいやろ!?」と自慢すればいいんです!
 私は高知大学で、学生を中山間地域に連れて行き、課題を見つけ解決策を考える授業を行っています。地域の人たちとのふれ合いは、学生にとって何よりの喜びであり、学び。一方、若い人たちが地域を闊歩し、一緒に作った郷土料理を「おいしい!」と勢いよく平らげる様子は、地域のみなさんにとってもうれしいことです。学生たちが「こんなにおいしいものがあって」「あったかい人たちがいて」「素晴らしい自然があって」と口にすることが、自分の住む地域に自信を持つきっかけとなるのです。今春開設の地域協働学部では、地域の魅力をさらに深く掘り下げ、元気をもたらす若者を育てていきたいと考えています。
―2月19日のフォーラム第2部では、まさにその「外の人から見た地域の良さ」をテーマにトークセッションを行います。今城さんにはその進行役をお引き受けいただいていますが、どんなセッションを予想していますか?
今城
 プレゼンターの3人には、地域の未来を明るくするための提言をしていただきます。それぞれ個性的な経歴と広い視野、豊かな発想をお持ちの方々です。おもしろい意見が出ると期待しています。会場のみなさんにも「いいね!」のサインを出していただいて、一緒に考え、盛り上がりたいと思っています。若い人たちにもたくさん参加していただいて、「高知」に対する固定概念を打ち砕く刺激的なセッションにしたいですね。