ひとつの大家族である「高知家」が、ますます元気な家族となるよう、
さまざまな発信をしてまいります。
濵田 沙希さん
職 業/ ホテル星羅四万十・
四万十天文台勤務
移住地/ 四万十市西土佐
[江川崎]
出身地/ 三重県
移住年/ 2013年
 ポスターにあるこのキャッチコピーは、濵田さん自身のアイデア。清流四万十川と天の川が同時に楽しめる、自然環境豊かな天文台をアピールしています。旧西土佐村は1988年に国から「星空の街」認定を受けており、肉眼でも天の川がきれいに見える、天体観測に絶好のロケーションです。
 肩書きの「星憧アテンダント」は、勤務するホテル星羅四万十が濵田さんのイメージに合わせて名付けてくれました。星空への憧れを分かち合える、ロマンに満ちたネーミングです。
 三重県出身の濵田さんが、天文台を備えた観光拠点のホテルへ就職して1年半ほどたちました。初めての土地での生活にも慣れてきたこのごろ。フロント業務と、四万十市天体観測施設「四万十天文台」の業務を兼務しています。姫路市の天文台に勤務していた時に高知での募集を知り、リニューアルオープンした四万十天文台を運営する仕事に惹かれました。「安定した仕事で天文台の仕事ができるなら」と、移住に迷いはなかったそうです。
 四万十天文台からツイッターで天文現象をつぶやくと、反響が返ってきます。手が空いた夜は広報用の写真撮影も行い、PRにも努めている濵田さん。宙ガールとも呼ばれる女性天文ファンになったきっかけは、小学4年生の時、父が趣味で持っていた天体望遠鏡で月を見た驚きです。図書館で天文の本を借りられるだけ借りて読む少女でした。「ほうき星も好き。地球へ到着する前になくなってしまうこともあるので、来てみないとわからない宝クジみたいな出会いです」
 勤務がシフト制で土日の休みが少ないこともあり、地域活動には参加しにくいものの、ご近所の人たちと天狗高原へ遊びに行ったり、県内各地へも少しずつ足を延ばしています。
 図鑑類やネットだけでなく、望遠鏡と自分の目を通して星空を見る、生の魅力を伝えたい」と濵田さんは願っています。「目で見るとまた違う発見があるので、生の体験は貴重です。特に子どもたちに、地球の空気の揺らぎで星が動いているかのように見えることや、街の中でも明かりを消したらこんなに星空があるんだと気づいてもらえればと」
 四万十川と星空を生かした観光拠点に勤務する立場から、県内のホテルが連携した周遊型体験観光の企画にも積極的に参加している濵田さん。「高知には観望に適した観光スポットがたくさんあります。西土佐は自然が多く空が暗いのできれいな星空が見えるし、天狗高原は四方が眺望できます。足摺岬からは水平線の星座まで見渡せますし。それぞれの立地を生かした旅を皆で企画・提案しています」。夜空の星が観光資源であることを、高知の人々はついつい忘れてしまいがち。大いなる夜空へ目を向け、県内で宿泊地を変えて滞在しながら自然を満喫する旅の魅力を発信する意義は大きいはず。これから秋冬にかけては、空が澄んで、ひときわ星が美しいシーズンの到来です。
 「観望もそうですが、親が子どもにいろんな体験をさせてあげる機会を増やせば、将来どこかで役立つかもしれません。今は独身ですが、私もいつか子どもができたら、一緒に望遠鏡をのぞいたり、星空を眺めたいという夢があります。天文解説員というのは夜の仕事なので、家庭との両立も課題。結婚後も続ける女性が全国で増えればいいですね」
「何よりもまず、四万十川と山々に囲まれた、この自然の豊かさが、西土佐エリアの頼れるおもてなしだと思います。そして、高知の人々の温かいおもてなしも、旅をする人に響きますよね。こんな風に生活のある場所で天の川が見られるのは最高です。都会から来た四万十川観光のお客さまに、真っ暗で夜は何もないでしょう?と言われることもあるのですが、自然が残っている貴重な場所で、星空の魅力を伝えていきたいと願っています」
すぐ前は清流四万十川。夜には天の川が輝くこの場所で、天文台が果たす役割が期待されています