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第13回黒潮マンガ大賞 大賞受賞者の横顔
<コマ部門>木下 義信さん
日常生活から着想
「いろんな漫画の賞で入選はしても、大賞の人を拍手する立場だったので、本当にうれしい。黒潮マンガはレベルも高いですし」
広島県高田郡吉田町の農業、木下義信さん(49)は似顔絵では知られた人。週刊朝日「山藤章二の似顔絵塾」で第三回大賞(八四年)を受賞、九六年には山梨県櫛形町の「日本一似顔絵コンクールくしがた」でグランプリに。簡潔なデザインと、立体感をつけない平面的な絵が特徴。浮世絵の影響も受けたという。
「似顔絵は人物を介するので、表現が限定されるんですね。そろそろ似顔絵から脱皮したいと思っていたので、漫画での受賞は自信になりました」
受賞作「これならOK?」は、以前にも話題となった女性による大相撲の表彰式のネタ。何とか合法的に女性を土俵に上げられないかと頭をひねった。
「何か別のことをしている時に、歌舞伎の市川猿之助さんの宙乗りを思い出したんです。投稿はこれ一点。ことしで八回目ですが、落ち続けても出したかいがありました」
コメを中心に農家を営む、晴耕雨読の作家。三十歳すぎから始めた絵は独学だが、山藤氏に認められて自信を得た。漫画も十二、三年ほど前から始めた。
「農業なのに、土のにおいのしない絵でしょう。単純化した表現とユーモアを込めることを心がけています。会社員をしたり、大阪で暮らした経験も役立っています。今は田舎暮らしですが、絵を描くにはいい環境なんですよ」
【写真】「毎年悔しい思いをしていた黒潮マンガで受賞できて、うれしい」と話す木下義信さん(広島市内)
<ストーリー部門>小松 真也さん
動物で“人間”描く
小松真也さん(19)=吾川郡伊野町枝川=は現在、国際デザインカレッジのマンガ科に在学中。独特のほのぼのとした絵柄は、常連である「高新まんが道場」でもおなじみだ。黒潮マンガ大賞では第十、十一回と連続入選の実績がある。
「正直、自信がなかった。ぎりぎりまで直して、失敗したと思いましたから」と戸惑いながらも、喜びをかみしめている。
テレビの画面に出てきた山を見ていて、「山が一つの生き物だったら面白いな」と思ったのがきっかけ。山のけもの道を登って行く時などに感じる、何とも言えない怖さや見慣れない生き物への驚きといったものをもとに、「ヤマンボウ」の物語を膨らませた。
「とにかく、シンプルな絵が好き。ラストはいつも完結していましたが、今度は完結せずに余韻をもたせた感じにしてみました」
審査員からは「しっかりと自分の絵が描けており、読者を最後まで虚構の世界に引き込んでくれる」と評価を受けた。
漫画を描き始めたのは小学二年生のころで、中学時代から「高新まんが道場」に投稿。ストーリー漫画は、高知西高に入ってから取り組み始めた。「自分からはあまり話さないおとなしいタイプです」と自分を語る。
漫画家では藤子不二雄、絵本では長新太のファン。今風の漫画よりも、絵本の方が好き。環境問題への関心も深い。
「卒業後の進路は分かりませんが、漫画は描き続けます。ナンセンスな漫画、それと絵本も描いてみたいですね」
【写真】「山が生き物なら面白いと思った」と話す小松真也さん(高知新聞社)
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