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第12回黒潮マンガ大賞 大賞受賞者の横顔

<コマ部門>北村 いおさん

 日常生活から着想

 昨年の第十一回で初入選を果たし、今回念願の大賞を獲得した京都市西京区の主婦、北村いおさん(49)。一見、順調に思われるが、それまでは六回連続して落選だった。

「入選も難しいと思っていたのに、大賞を頂いてうれしい」と話す北村いおさん(京都市内)  「知らせを聞いてびっくり。去年の入選、今回の大賞と力を認めてもらえてうれしい。黒潮マンガ大賞はレベルが高くて入選は無理だと思ってましたから」

 子どものころから漫画好き。高校時代は月刊誌などにストーリー漫画を熱心に投稿、漫画家を夢見た。竹宮恵子さんと同じ年で、同時期に応募していた彼女との実力差にショックを受け、一度は筆を折った。

 グラフィックデザインの仕事に就いたが、その後の結婚、子育てのため、デザイン、漫画ともに遠ざかっていた。七年前、気軽な気持ちで応募した一コマ漫画が「富永一朗漫画大賞」で入選。その後、仲間の作家たちに励まされながら、マイペースでかいてきた。

 「月に一、二枚です。家事や外出など日常の生活の中で浮かぶこまごまとしたイメージがつながって一つの絵になる感じですね。一コマ漫画は自分の中身が集約して表現できるのが魅力。それを評価してもらえると、なおうれしい」

 受賞作「修行」も、水に対する問題意識があって、頭に浮かんできたアイデアの中から、一番かきたいものをかいたのだという。

 高一、中一の二女の母。「もう少し、子どもの手が離れてきたら、もっといろんな体験や勉強をして漫画に生かしたいですね」

 【写真】「入選も難しいと思っていたのに、大賞を頂いてうれしい」と話す北村いおさん(京都市内)


<ストーリー部門>相沢 拓さん

 動物で“人間”描く

 受賞の一報は相沢拓さん(45)=東京都中央区=が警備員をしている会社にかかってきた。

「僕にとっては人間よりも、擬人化した動物を描く方が簡単なんです」と話す相沢拓さん(高知新聞東京支社)  「出勤したら、『高知新聞社から電話があった』と聞いて、何かに選ばれたとは思いましたが、まさか大賞とは…。その日は自然と顔がにやけて、テンションが高いままでした」

 新潟県・川口町出身。中学生のころの同人誌ブームでかき始めた。昨年の黒潮マンガ大賞は“本業”のコマ漫画で二、三点応募したものの「全部選外」。今回は「かくのは五年ぶり」というストーリー部門で、見事に大賞を射止めた。

 受賞作「新イソップ話 リスとイノシシ」は、昔ともに地上にすんでいたリスとイノシシが、クマの“判決”で地上と樹上にすみ分けするというストーリー。

 「基本は『人間』。こんな人がいる、こう感じる、そういうふうに、見る側が共感してくれて、さらに笑ってもらえる作品にしたかった」と話す通り、リスの小心者ぶりとイノシシの傍若無人ぶりを生き生きと描いている。

 審査員は相沢さんの絵で、特に「人をかくよりはるかに難しい」動物の擬人化を高く評価したが、本人は「実は人間をうまくかけない。動物は特徴が出しやすいから結構“ごまかし”がきくんです」と苦笑い。

 いつもは「笑わない、怖そうな顔つきの警備員」だが、漫画への熱意はだれにも負けない。絵本などの世界にも志を持っている。「漫画で表現をすること自体がすごく楽しい。大勢の人に見てもらえる漫画をかきたいのです」。

 【写真】「僕にとっては人間よりも、擬人化した動物を描く方が簡単なんです」と話す相沢拓さん(高知新聞東京支社)


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