漫画「土佐の一本釣り」で知られる故青柳裕介さんの石像が高岡郡中土佐町久礼のふるさと海岸に建立され、青柳さんの誕生日の4日、除幕式が行われた。建立を進めてきた町内外の有志ら関係者が、お披露目された真新しい石像を前に感慨にふけった。
青柳さんは土佐の自然と人間愛にあふれた作品で知られ、同町を舞台にした代表作「土佐の一本釣り」は映画化もされてカツオ一本釣りを一躍全国に知らしめた。昭和55年には名誉町民賞も受賞している。一昨年の8月、がんのため56歳で亡くなった。
石像は青柳さんの功績をたたえようと今年、親交の深かった町内外の有志6人でつくる「青柳裕介の石像を建てよう会」(楠瀬隆代表)が企画。同町とともに建立を進めてきた。同会は広く寄付金も呼び掛け、これまでに400万円を超える浄財が集まったという。
石像は青柳さんが岩に腰掛け、海を眺めながらスケッチする姿。白御影石製で、台座を含めた高さは2・6メートル。最終的な建立費用は来年、石像の横に建設するという寄付者の名を刻んだ石碑を含めて650万円ほどになる見込み。
式には関係者約80人が出席し、同会メンバーや西森英身町長、青柳さんの家族らによって除幕された。その瞬間、出席者の拍手と笑顔がはじけ、「美男子やねえ」の声が上がった。
石像の製作のため自費で中国にまで赴いた同会事務局長の山中求さん(53)は「青柳先生がとうとう石になりました。300人を超える人が寄付してくれており、本当にありがたい」と感無量の表情。青柳さんの妻、吉村香織さん(55)も「あごの辺りなんかそっくりですね。これからは墓のほかに、ここにも会いに来られますね」と喜んでいた。
式場では同町が青柳さんの思い出などを募集しまとめた冊子「故・青柳裕介に捧(ささ)ぐ『鎮魂歌』」も関係者に配られた。
【写真】関係者が見守る中、除幕された青柳裕介像(中土佐町久礼)
2003年12月5日朝刊
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