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講評
審査委員長 やなせ たかし
案をもっと煮詰めて 最優秀の高岡高の作品は、老人力を梅でやるとは「うめーな」と思った。青い梅がうまいという人もいるが、やはり古くてしわだらけの梅にうまさがある。絵も簡潔でよく分かる傑作。漫画というのは、このように梅で漫画にできると思いつくことが大事だ。 第二位は花咲徳栄高で、最後まで最優秀を争った作品だった。おじいさんがしわをのばして空を飛ぶというナンセンスな点が面白かった。ただ一コマ目はおじいさんにもっとしわがないと駄目。二コマ目はやや品がなかった。グランプリには品位も必要だ。 第三位の芸術高は、電車の中のおばあちゃんに底知れぬ老人力を感じた。漫画の要領もよく心得ている。もう少しおばあさんの特性を分かりやすく表現すれば、なおよかった。 審査委員長賞は第二高。これはだれが見ても分かる絵。背景を描かないことでデザインもまとめている。面白いがギャグの要素が不足しているのが惜しい。 実行委員会会長賞の浦和学院高は、おじいさんと孫のおねしょの話。目新しさはないが、おじいさんがもう一度赤ちゃんに戻るというところがよかった。 三菱電機賞の浜田商は、最優秀の梅と同じような案。古いワインの方がコクがあるとして絵もまとめたが、見た目のおかしさがほしいところだ。 県高文連会長賞は北鎌倉女子学園高。老人力のマイナスがプラスになるという絵で、よく描けている。地震の場面をもっとめちゃくちゃにするとよかった。 全体的には毎年レベルは上がっており、ことしもいい出来だった。漫画は、人の意表を突いて「この手があったのか」と思わせることが決め手。絵をかくことに夢中になり過ぎてはいないか。案は中途半端ではなく、ぎりぎりまで煮詰めることが大切だ。 自信がないためか、いろいろ余計なものをくっつけている作品もあった。物語は単純でいいから、目的をシンプルに出すことがいい作品につながることを知ってほしい。最優秀作はその点がうまくいっている。(談) |
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