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1999年8月9日(月)
高岡高校が初優勝 まんが甲子園が閉幕
第八回全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)の決勝戦は九日、高知市布師田の高知ぢばさんセンターで行われ、三回目出場の本県代表、高岡高が最優秀校の栄冠に輝き、知力と体力を振り絞った二日間の熱戦に幕を閉じた。
県と「あったか高知」まんがフェスティバル実行委員会の主催。過去最多の三百八十六校が参加したことしのまんが甲子園の決勝戦には、一次競技を通過した十五校と敗者復活戦を勝ち上がった五校の計二十校が進んだ。
決勝戦のテーマは「老人力」。各校はそれぞれのブースに駆け込んで、アイデアをひねり、五時間半の持ち時間をフルに使い、作品作りにしのぎを削った。
審査の結果、熱戦を制して、最優秀校に輝いたのは地元、高岡高校。発表の瞬間、選手らは「やったぁ!」とガッツポーズ、喜びを爆発させた。
最優秀校以外の結果は次の通り。
二位=花咲徳栄高校(埼玉県)▽三位=芸術高校(東京都)▽「あったか高知」まんがフェスティバル実行委員会会長賞=浦和学院高校(埼玉県)▽全国高等学校漫画選手権大会審査委員長賞=第二高校(熊本県)▽三菱電機賞=浜田商業高校(島根県)▽県高等学校文化連盟会長賞=北鎌倉女子学園高校(神奈川県)
【写真】優勝作品を手に初優勝の記念撮影をする高岡高生ら(高知市のぢばさんセンター)
うめーアイデアでV 高岡高
優勝だ!――高岡高漫画研究部の五人はアナウンスの瞬間、はじかれたように立ち上がった。第八回まんが甲子園の優勝校だ。こぶしを突き上げ、抱き合って喜びを確かめ合う五人。四回大会で審査委員長賞、六回大会で準優勝と確実に順位を上げ、三度目の挑戦でついに頂点に立った。
高知市布師田の高知ぢばさんセンター特設ステージでの表彰式。三年生でリーダーの角田竜君は優勝旗を手に「大変だったけど、みんな頑張ってくれた」と感激いっぱい。二年生の近沢一美さんと石元美沙さんはちょっと涙ぐみ、一年生の藤原大吾君と佐竹博史君は「来年からも頑張りたい」「連続優勝します」と胸を張った。
ステージの生徒にカメラを向ける顧問の片木圭教諭(38)の手は小刻みに震えた。「きょうの作品見たら、これはいけると思った」。目にうっすらと涙をにじませ、「本当によくやったです」。
決勝のテーマは「老人力」。ストレートにおじいさん、おばあさんを登場させた作品が多かった中、高岡高チームは黙々と「梅干し」を描いた。しわくちゃの梅干しが青い梅に一言、「まだまだ青いな」―。
「実にウメーですね」と審査委員長のやなせたかしさんがうなった。「このアイデア出したのはだれ? 最大の功績者だよ」とやなせさんが問い掛けると、角田君が照れくさそうにそっと手を挙げた。
事前に発表された五つの課題の中で、一番苦労したのが「老人力」。アイデアが決まったのは大会二日前だった。角田君は「姉二人とあれこれ話しているうちに、ふっと思い浮かんだ」と言う。
その姉二人は同じ高岡高チームで、まんが甲子園の出場経験者。舞さん(21)は四回大会、潤さん(19)は六回大会のそれぞれチームリーダーだった。舞さんと潤さん、潤さんと角田君は同じチームで戦った。
会場の後ろで表彰式を見守っていた二人は「私たちの手の届かなかったところまでいった。すごい!」。角田君が持つ優勝旗めがけて「触らせてー」と駆け寄った。
決勝進出の県勢3校 涙ぐむ姿も
優勝した高岡高とともに決勝進出した室戸、佐川、岡豊の県勢三校は、残念ながら入賞はならなかった。
初陣・室戸高は一次競技に続き、事前に用意したアイデアをボツにしてのぶっつけ本番。午前中かかってひねり出した「老人力発電」のアイデアで挑んだが及ばなかった。メンバーは五人とも三年生で、最初で最後の大会。美術部長の山下香那子さんは「初出場で決勝に進めた。これが第一歩です」と後輩の活躍を期待した。
佐川高は「一次競技はナンセンスでいいが、決勝は優勝作品として飾るにふさわしくないと」と下書きを二通りを用意。決勝用は、「おばあちゃんのチエ袋」というベストセラーをおばあちゃんたちが買い求める作品だった。リーダーの三年生、岡崎司君は「おかしいなあ、優勝できたはずなんだけど」と悔しさも笑いのネタにした。
常連の岡豊高は、ぐれた若者も立ち直る効果抜群の「老人力ドリンク」で勝負。五人が作業を分担し効率よく仕上げたが入賞できず、うつむいて涙ぐんだり、肩をたたいて励まし合っていた。
文字通り「老人力」で 審査委員長賞の熊本・第二高
第二高(熊本)は、敗者復活戦からシンプルな構図づくりに方向転換。徹夜明け、一発逆転の「審査委員長賞」に輝いた。
構図を変えたきっかけは、復活戦の夜に宿舎を訪れた審査員の「構図が見にくい」の一言。「分かりやすくインパクトのある構図」を心掛けて復活したが、決勝テーマの「老人力」はネタが一つもなかったという。
疲れから居眠りする子もいる中、必死に頭をひねって制作。終了直前には見物のおじいさんから色付けのアドバイスを受け、ちょっとした手直しも入れた。
睡魔と戦いながらつかんだ入賞。リーダーの小沢絹子さん(三年)は「最後に『老人力』ももらったし、徹夜明けパワーです! 人間、切羽詰まったときに力が出るものなんですね」と喜び合っていた。
連覇逃し涙 東京・芸術高
第七回大会の覇者、芸術高(東京)は「優勝旗だけ届けるのは嫌だ」と意気込んで高知入り。リーダーの佐藤万希さんら三年生三人は昨年のチームのメンバー。新たに二年生二人が参加し、決勝に順当に勝ち上がった。
決勝戦では「少し時間が足りないようだ」と末房貞樹教諭(55)が心配する中、一枚の紙の上に、色鉛筆を握った五人の手が重なるほど必死のラストスパートで作品を完成させた。
結果、連続入賞の三位。しかし、メンバーは「賞はうれしい。けど私たちの力が優勝に及ばなかったことが悔しい…」と涙を流した。
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