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講評
審査委員長 やなせ たかし
質は向上 もっと個性を
最優秀に選ばれた芸術高の作品は、管理教育を描いたもの。鉢に水をやる先生がいかにも生まじめで、構図もうまい。一位に値する風格がある。
第二位の梼原高は、カエルがカマキリにクロールを教えてもらって、水泳大会で優勝するという話。奇想天外でナンセンスな点が買われた。
第三位の留萌高。共働きが多い現代、子供の教育はおばあちゃんに任せっきり。自然におばあちゃん子になってしまう―。現代を反映している一方で、温かくてホームドラマ風だ。
実行委員会会長賞の京都高等工芸学校。バーゲンで死に物狂いになっている親のまねをして、子供が食物の取り合いをする―。発想は古典的だが、絵自体は動的だ。
三菱電機賞の北広島高。幽霊を放任主義で育ててしまうと、いい加減な幽霊になってしまう、という作品。発想は幼いが、かわいらしさがある。
県高文連会長賞の川本高は、生まれたときは皆同じだが、育て方によって天使・悪魔の両方になる可能性がある、という作。高校生らしい知的な表現だ。
全体の質は毎年向上しているようだが、「飛び抜けた作品」となると、どうだろう? こういったコンペティションでは、平均的に審査員の評価を集めたものが上位にいくものだ。
個性の強い作品は審査員の好みが分かれて、なかなか入賞できないが、高校生なら突っ込んだ表現が欲しい。その点、吉田高は敗者復活戦で落選したものの、今のコミック本の影響を受けておらず、考え方も知的だった。個性を伸ばしてほしいという意味で、あえて審査委員長賞を贈った。
その他の高校も、本選に出場できた幸運に感謝して、悔しさは忘れて楽しい思い出にしてください。 (談) |