今年の審査はかつてないほど難しかった。審査員の意見がばらばらで、こんなのは初めて。疲れた。だから入賞は運で決まったという側面もあると思う。
最優秀賞となった高岡工芸高は子供の本物の笑顔を見て、作り笑いをしてきた大人が自己反省の表情を見せるというのが何とも面白い。できれば3コマできっちり仕上げたかったが、ヒューマンな作風の勝利となった。
2位の順天高は分かりにくかったかもしれない。動物の着ぐるみの中に本物が入っているという痛烈な皮肉だ。分かりにくさはあったが、着眼点がいい。
3位の熊本中央高の作品は、入院している人のところに折り鶴じゃなくて、本物の鶴に乗って見舞いにくるというメルヘンチックなものだ。面白いところをついているんだけど、ちょっと鶴に見えないところに難点もあった。
審査委員長賞の真和志高は、偽物の方に観光客がたくさん集まるというもの。これは現実にも起こった問題だ。絵もよく描けているし、構図も大胆で良い。
「あったか高知」まんがフェスティバル実行委員会会長賞の国本女子高は、とても分かりやすい作品。絵も上手で、この中から漫画家も出てくるんじゃないか。ただ分かり過ぎて、ひねくれた審査員たちの心をとらえ切きれなかった面もある。
三菱電機賞の広島商業高はロボットが人間の心というものを考えるという作品。せりふがあまりに理屈っぽくていけない。最後のコマも少し分かりづらくて、着眼点が優れていただけに残念だった。
全日空賞の富山第一高の作品を見て「ダ・ヴィンチ・コード」という小説をすぐに思い出した。絵も極めて上手だが、もう一歩アイデアがあれば、トップも狙えた。
県市町村振興協会賞となった栃木高。赤ずきんちゃんを使ったのは分かりやすくていいが、もう一歩という感じだ。
県高等学校文化連盟会長賞の倉敷青陵高は偽札というコンテンポラリーな問題を扱っているのはいいんだけど、文字の説明が多い。