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  第13回まんが甲子園  関連記事


2004年8月8日(日)<朝刊>

決勝へ高崎東など15校 1次競技

全国制覇に向けまずは1次競技を突破。喜びをかみしめる選手たち(写真はいずれも高知市の「かるぽーと」)  全国からペン児150人が集まって開幕した第13回全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)は7日、高知市九反田の市文化プラザ「かるぽーと」で1次競技を行い、連覇を目指す高崎東(群馬)など15校が一足早く決勝戦進出を決めた。県勢3校は1次を通過できず、敗者復活戦に回った。

 午前10時半に始まった1次競技のテーマは「潜在能力」。「5つの中で一番難しい」という声も多く、用意してきた下絵を検討し直すなど、例年に比べゆっくりとした出足となった。

 ただ、午後にもなるとどのブースもヒートアップ。「私こっち描くから、そこ塗ってて!」「早く。時間ないよ!!」。1枚の作品に、右左、上下から筆を持った手が伸び、5人の総力を結集させて仕上げた。

 1次通過の発表は午後5時から。審査委員長のやなせたかしさんが通過校を発表すると、選手たちは「やったー」と腕を高く上げたり、仲間同士で手を取り合って喜びを爆発させた。一方、残る15校は「ごめん」のテーマで敗者復活戦へ。徹夜覚悟の作業に気持ちを切り替えていた。

 決勝戦進出校は次の通り。

 北広島、札幌南(以上北海道)、東北(宮城)、栃木(栃木)、高崎東(群馬)、大泉学園、国本学園国本女子(以上東京)、中野西(長野)、豊明(愛知)、京都芸術(京都)、神戸海星女子学院(兵庫)、玉島商業(岡山)、市立広島商業(広島)、西南学院(福岡)、有田工業(佐賀)

 【写真説明】全国制覇に向けまずは1次競技を突破。喜びをかみしめる選手たち(写真はいずれも高知市の「かるぽーと」)

 CG作品で挑戦

パソコンで着色した作品を印刷する呉武田学園武田の生徒たち  まんが甲子園にもハイテクの波―。呉武田学園武田(広島)はCG(コンピューターグラフィックス)を駆使した新感覚の作風で、他校選手らの注目を集めた。

 「パソコン使用について、画材としてならいいということなので安心した」と顧問の末永正博教諭(34)。「手描きの良さも分かるが、アナログ作品ばかりの中で、デジタル作品があってもいいんじゃないか」と挑戦した。

 作業は、下絵は手で描き、それをパソコンに取り込んで色処理などを行う。作業机は絵の具やバケツ、色鉛筆などで散らかっているのが普通だが、同校の机にはパソコン、スキャナー、プリンターが整然と並んだ。

 出来上がった作品は手描きでは出しにくい色の濃淡など、CGならではの良さも。テーマの予想が外れ、1次競技通過はならなかったが、自分たちのスタイルは変えず敗者復活戦に挑む。

 【写真説明】パソコンで着色した作品を印刷する呉武田学園武田の生徒たち

 これぞ潜在能力

 1次競技のテーマとなった「潜在能力」は、選手に“不評”だったようで、「これだけは用意していないよ〜」という声も。ぶっつけ本番で挑んだチームも多かった。

 函館商業(北海道)もそんな1校。しばらく手が動かず、内容が決まったのは競技開始から30分も過ぎてから。近くのブースでは既に色付けに入っているチームもあった。

 しかし、選手には慌てる様子や悲壮感はまるでなし。逆に「いいアイデア出ましたよー」と笑顔で、古戸真央さん(3年)は「これが私たちの潜在能力!」。

 その言葉通り、スローな出足だったにもかかわらず余裕の完成。ただ、残念ながら1次競技は落選。それでも、「画力に自信はあったけど、(ポパイを描いたため)著作権に触れた」と笑顔で冗談を飛ばし、敗者復活戦へ気持ちを切り替えた。

 県勢3校は敗者復活戦 巻き返し期す

 決勝進出を決め喜ぶペン児を横目に、安芸桜ケ丘、高知東、追手前の県勢3校は敗者復活戦に望みをつなぐ結果に。しかし、復活戦のテーマ「ごめん」には各校とも自信ありげで、「漫画王国の名に懸け、必ず決勝へ」と気分を入れ替えた。

 初出場の高知東、矢野隆宏君(3年)は「『潜在能力』は大会前日の最後まで悩んだテーマ。準備が足りなかった」と唇をかんだ。高知東は準備した一つの絵を5人がパーツ別に描き、最後に合体させる「完全分業制」。復活戦でもその手法を貫く構えだ。

 1年時から漫画研究部部長の矢野君は、「決勝には必ず出る。『ごめん』には自信あり。意志あるところに道は拓(ひら)けるです」。

 高知東同様、初陣を一発でクリアできなかった追手前の中城沙規さん(3年)は「ネタにひねりが足りなかったかも」と反省。しかし、夏休みに入ってから毎日、仲間と特訓する中で、「ごめん」は「自信ある」とにっこり。仕切り直しも苦にしておらず、「さっさと済ませて寝ます」。

 2年連続出場の安芸桜ケ丘、近藤綾郁さん(3年)は、落胆の表情は隠せなかった。しかし、こちらも「『ごめん』を敗者復活で使ったら、逆に決勝のネタがやばい」というほどの自信作で、巻き返しには意欲満々。

 県勢3校はくしくも宿舎が一緒で、一つ屋根の下、敗者復活に向けてしのぎを削ることに。8日午前、「ごめんね」と他校を気遣いながら、復活する県勢は果たして何校?

 【声、声、声】 暑くて睡眠2時間/カツオは駄目

 ☆「高知は湿気が多く、暑くて2時間しか寝られなかった。眠いけど頑張ります」=競技開始を前に、北海道・北広島高3年、渡辺幸恵さん(17)

 ☆「漫画には興味なかったんですが、初めて見てすごい世界なんだなと。みんな一生懸命で、スポーツと同じように高校生が団体競技で頑張っているのは、見ていて気持ちがいい」=宮崎県日向市から帰省中の会社員、前田貢司さん(37)

 ☆「生徒さんを取材しなければならないんですが、慣れていないのでうまくいかなくて。取材されている場合じゃないんですけど…」=参加者らに配布する大会リポートで取材中のイベント企画会社の大崎美香さん(24)

 ☆「この機関車トーマス、作るのはただ同然やったけど、運んでくるのに3万円もかかった」=会場の外で子どもたちを機関車に乗せるボランティア活動をしていた須崎工業高3年、竹田康二君(18)

 ☆「(開始1時間で)後は色塗るだけなんですよ!」=富山・高岡工芸高2年、角田春香さん(17)

 ☆「正直、ほかの見ても絶対僕たちの方が勝ってると思った…。敗者復活では目にものみせてやりますよ!」=敗者復活戦に向け意気込む通信制高校の兵庫・青雲高四年、三島圭悟さん(20)

 ☆「おおこわい(ああ疲れた)。山育ちなので魚介類がまったく駄目。昨日の夜はカツオのたたきが出たけど食べられなかった。実はキノコも駄目なんですけど」=栃木・馬頭高3年の荒井美香さん(17)


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