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第11回まんが甲子園・最終日

2002年8月9日(金)

まんが甲子園 栃木高が初の2度目V

大会初の2度目の日本一―。ガッツポーズで喜びを爆発させる栃木高チーム(高知市の市文化プラザ「かるぽーと」)  第11回全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)は9日、高知市九反田の市文化プラザ「かるぽーと」で決勝戦が行われ、栃木高校(栃木)が6年ぶり2度目の最優秀校に選ばれ、全国392校約2000人のペン児の頂点に立った。複数回の優勝は、大会史上初めて。

 決勝は1次競技を勝ち抜いた15校と、敗者復活で返り咲いた5校で競った。「本音」がテーマの4時間半の戦いは、どのブースでも選手の手が休まることなく、「その色もっと濃く」などと高校生の熱気がムンムン。

 決勝とあって多くの観客がブース脇で見学したが、選手たちは画用紙をにらみ付け、作品作りに集中。終了のドラの音が鳴り響くと、あちこちから拍手や達成感の歓声が起こった。

 実力伯仲の戦いで、審査は難航、発表も予定より25分遅れた。審査委員長のやなせたかしさんは「今年はみんながゲーム感覚で楽しんでいた」と総括。新札をネタにした栃木高の作品は「知的な解釈があり、着眼点が面白い」と評価した。第2位に札幌南高(北海道)、第3位には宮崎商業高(宮崎)が入った。その他の入賞は次の通り。

 審査委員長賞=那覇工業高(沖縄)▽「あったか高知」まんがフェスティバル実行委員会会長賞=西条高(愛媛)▽三菱電機賞=汲沢高(神奈川)▽県高等学校文化連盟会長賞=富山第一高(富山)▽全日空創立五十周年記念特別賞=大阪電気通信大高(大阪)

 【写真】大会初の2度目の日本一―。ガッツポーズで喜びを爆発させる栃木高チーム(高知市の市文化プラザ「かるぽーと」)


男5人でおちゃらけV 栃木「普通さ」原動力に

無欲の決勝進出で部への昇格も確実? 最後の「まさか」に挑む那覇工業高の選手たち(高知市の市文化プラザ「かるぽーと」)  まじで優勝?――。8日から高知市九反田の市文化プラザ「かるぽーと」で開かれた全国高等学校漫画選手権大会で見事、2度目の日本一に輝いた栃木高校。男ばかりの5人組は校名を呼ばれた瞬間、勢いよく立ち上がりガッツポーズ。喜びを爆発させた。

 「信じられん。やったー!」「まじで?」。各選手はオーバーアクションとも思えるほど派手に両手を広げ、抱き合い、優勝のパフォーマンスを見せた。

 閉会式で、審査委員長のやなせたかしさんは「以前は優勝に向かって緊張していた感じがあったが、今年の大会ではおちょくって、ゲーム自体を楽しんでいるチームがあったのが特徴」と講評。同校もそんな学校の一つだった。

 決勝進出チームを集め、9日午前に行われたセレモニー。多くの学校が「優勝」という目標を口にする中、3年の林真君は「(審査員の1人の)いがらしゆみこ賞を狙います」。実際にはない賞に会場はどっと沸いた。

 「漫画も生活の一部で、勉強やスポーツにも一生懸命。彼らの発想は人をおちょくったり、冗談言ったり、普通の男の子の感覚から生まれるんです」と顧問の青木世一教諭。テニス部、卓球部、弓道部。選手の多くは漫画一筋ではなく、青木教諭は「普通の高校生」を強調する。

 そんな「普通さ」が、優勝の原動力になった。決勝のテーマ「本音」。新札への変更という時事ネタで、「変えられる2人は、きっと本当は嫌がってるんじゃないかなあ」。話し合いで感じた疑問を素直に表現し、新鮮な気付きを与えてくれる作品に仕上げた。

 200人以上が見守る中、優勝の喜びのコメント。林君はひと呼吸置いて、「優勝できたのは、いがらしゆみこ先生のおかげです」。最後まで「おちゃらけ」と、今どきの普通の高校生らしさを忘れなかった。

 【写真】「すごい! まじで?」。優勝に喜びを爆発させる栃木高校の5人(高知市の市文化プラザ「かるぽーと」)

 岡豊、完全燃焼の涙 悔しさと楽しさ

 入賞校が次々と読み上げられる中、岡豊高校の5人は手をつないで信じた。もちろん優勝を。「この大会は半分はアイデア勝負」という副顧問の門脇隆教諭の言葉通り、「本音」のテーマに自信はあった。考え抜いた作品の出来も上々。

 しかし、「岡豊」の名が呼ばれることなく大会は閉幕。2年生の中野恵里さんは、「どうして駄目だったのか審査員の人に聞いてみたい」とチーム全員の思いを代弁する。ただ、それは決して不満の声ではなく、「完全燃焼した」からこそ出る素直な言葉。

 3年の船長優さんは「優勝を信じていた」と顔をくしゃくしゃにしながらも、「この涙は悔しさと楽しさです」。門脇教諭は今大会の収穫として、「最善を尽くせたこと」を挙げた。

 「重圧に負けた」 東北V2ならず

 東北高校に“2匹目のどじょう”はいなかった。昨年、敗者復活から勝ち上がり優勝した同校は、今大会も1次競技で落選し敗者復活戦へ。多くの選手が「去年と同じ結果だったから、行けるかと思ったけど甘かった」と唇をかんだ。

 同校の選手のうち4人は昨年の優勝メンバー。ただ、昨年は「お祭り気分で遊びのつもりだった」(山下秀秋顧問)が、今年は「勝ちに行かなければという意識が出た」と2年の遠藤正和君。「他校の目線が気になった」という声もあり、優勝経験校だけが味わうプレッシャーに負けた格好になった。

 連覇は成らなかったが、負けてこそ分かったことも。2年の阿部幾磨君は「やっぱり僕は漫画が好き。来年は受験勉強するつもりだったけど、来年も漫画に打ち込む」と闘志を燃やした。

 声・声・声 占い的中/友達になろう

 ☆「決勝戦も、きのうの第1次競技のテーマも、両方ともテレビの占いを参考に当てました。占い、侮れません」
=初出場の福岡・西南学院高2年、川崎麻璃生さん(16)。

 ☆「私たちの学校は負けてしまったので、これからほかの学校の人たちと交流します。友達募集中です」
=群馬・高崎東高2年、島方槙子さん(16)。

 ☆「手紙を通しての交流のお手伝いをしてます。結構、手紙来てますよ。手紙届けに走り回ってます」
=“新飛脚コーナー”で受付を担当したボランティアの高岡高3年、国則あかねさん(18)。

 ☆「九州の女の子にとって、高知と言えば龍馬。今日は龍馬観光を楽しみにしていたんですが、敗者復活で決勝に残ってしまって…」
=福岡・京都(みやこ)高の娘の応援に来た児玉妃佐子さん(43)。

 ☆「牧野先生に他校とどの辺がいけなかったのか教えてもらってました。ひねりやアイデアなど全体的な力が足りなかった。残念です」
=敗者復活戦の作品講評後も、熱心に牧野先生に話を聞いていた京都・大谷高3年、林口浩士さん(17)。


「鍋焼きラーメンの歌」初披露 やなせさん作詞作曲

「鍋焼きラーメンの歌」が初披露されたアンパンマンコンサート(高知市の「かるぽーと」)  本県出身の漫画家、やなせたかしさんが須崎市の新名物「鍋焼きラーメン」のテーマソングを制作。9日、高知市で開いたコンサートで初披露した。

 「鍋焼き―」で市の活性化を図る「須崎名物鍋焼きラーメン・プロジェクトX」(徳久和宏リーダー)がやなせさんにキャラクターづくりを依頼したことがきっかけ。6月に徳久リーダーが上京したとき、やなせさんが「歌も作りましょう」と提案した。

 「鍋焼きラーメンの歌」と題した歌は、やなせさんが自ら作詞作曲。「須崎生まれの鍋焼きラーメン おいしすぎるよ たまらない」「湯気が香るよ 温かい」「天下無敵の土佐の味」などの歌詞が並んでいる。

 同日、高知市九反田の市文化プラザ「かるぽーと」で開かれた「まんが甲子園 アンパンマンコンサート」で初披露した。やなせさんが「本邦初公開!」と宣言し、童謡歌手の大和田りつこさんと岡崎裕美さんが澄んだ声で歌い上げた。

 テーマソングは間奏中にせりふもあり、やなせさんが「おまん、1回鍋焼きラーメン食べとーせ」「こじゃんとうまいぜよ」。日ごろほとんど使わない土佐弁で鍋焼きラーメンをPRした。

 テーマソングを作ったやなせさんだが、実はまだ鍋焼きラーメンを食べておらず、「イメージを膨らませて作った。秋か冬になったら食べたいなあ」と苦笑い。「聴衆の反応が良かった。拍手も大きかったし、喜んでもらえたんじゃないかな」と満足げに話していた。

 【写真】「鍋焼きラーメンの歌」が初披露されたアンパンマンコンサート(高知市の「かるぽーと」)


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