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第9回まんが甲子園速報・第1日

期間:2000年8月8日(火)〜9日(水)

場所:高知ぢばさんセンター

決勝への通過作品
2000年8月8日(火)

決勝進出の15校決まる 本県から小津高校

「やったー」。決勝進出が決まり、喜びを爆発させる明石高校の選手(高知市布師田のぢばさんセンター)  八日開幕した第九回全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)は、全国の代表三十校が一次競技を「掛け橋」のテーマで競い、十五校が決勝進出を決めた。本県からは小津高校が突破したが山田、土佐塾、伊野商の三校は惜しくも落選。落選した十五校はテーマ「if(もしも)」で敗者復活戦に臨み、五校が新たにあすの決勝に進出する。

 まんが甲子園初日は、はらたいら審査委員長代理からテーマの発表があると、午前十時半から競技開始。各校がブースに散り、さっそく下絵書きに取りかかった。主催者側から前もって複数のテーマが伝えられていたため、一つ一つ構想を練ってきたチームがほとんど。それでも文教大付属高(東京)のように「『掛け橋』だけアイデアが浮かばず、(高知入りする)バスの中で出なきゃいいねと言っていた」チームも。どのブースでもアイデアや構図を確認しながら懸命の作業が続いた。

 締め切りまで一時間を切ったところで作品が出来上がった高校もあれば、十分前まで色付け作業に追われるチームもあったが、終了時刻の午後四時には全チームが無事完成。競技終了のカウントダウンが終わると、あちこちのブースから歓声や拍手が沸いた。

 出来上がった作品はすぐさま審査会場へ。牧野圭一さんやいがらしゆみこさんら審査委員が一つずつじっくりと見て回った。「愛の掛け橋」、「夢の掛け橋」から「橋と箸をかけた」作品まで、高校生の感性がキラリと光る漫画に審査委員も「絵がうまい」「内容もいいね」などと感心していた。

 参加校が緊張して見守る中、午後五時すぎに決勝進出校の発表。高校名を発表されると、選手らは「やったー」と喜びの声を上げた。はらさんは「とにかく力作ぞろいでした。絵は実にうまい。今回はアイデア的にもレベルが高かった。楽しい作品をありがとうございました」と総評した。

 【写真】「やったー」。決勝進出が決まり、喜びを爆発させる明石高校の選手(高知市布師田のぢばさんセンター)

 敗者復活 テーマは「if(もしも)」

 敗者復活戦のテーマは「if(もしも)」で、一次競技で落選した十五校が残る五校の決勝進出枠を狙い、再度作品づくりに挑む。今夜は、宿舎で徹夜態勢のチームもありそうだ。九日は午前十時に敗者復活戦の審査結果発表があり、同十時半から午後四時まで二十校が決勝テーマに沿って作品制作。午後五時に審査結果が発表され、優勝校などが決まる予定。

 決勝進出を決めた高校は次の通り。

 札幌南高校(北海道)、第一女子高校(宮城)、福島高校(福島)、花咲徳栄高校(埼玉)、飛鳥高校(東京)、富山第一高校(富山)、浜松海の星高校(静岡)、名古屋女子大高校、豊明高校(以上愛知)、京都高等工芸学校(京都)、箕面自由学園高校(大阪)、明石高校(兵庫)、松江北高校(島根)、小津高校(高知)、第二高校(熊本)

 滑り込み完成に拍手 余裕の記念撮影チームも

 全国のペン児たちがことしも高知市のぢばさんセンターに集ったまんが甲子園。八日の開会式でテーマ「掛け橋」が発表された後、出場選手たちはそれぞれの制作ブースへ。そろいのバンダナを頭に巻いて気を引き締めたり、円陣を組んで「行くぞ、オー」と気勢を上げたり。競技開始のドラの音で一斉に制作に取り掛かった。

 選手たちには事前に五つのテーマ候補が伝えられており、「掛け橋」はその中の一つ。ヤマが当たったチームは「よかった。やろう、やろう」などと早速、前もってかいてきた下絵を写し始めた。当てが外れ、「もう少し、アイデア練ってみない」と会場内に展示されている過去の入賞作品を見に行く選手も。

 競技終了の午後四時が近づくと、選手たちの表情は一層真剣に。「五分前」「三分前」――残り時間を告げるアナウンスが流れる中、「焦るな、焦るな」とじゅ文のように唱えながら、全員でせわしく筆を動かした。滑り込みで作品が仕上がったチームからは、次々と拍手が起こる。一方で、早々に仕上げた作品を囲んで記念撮影をする余裕を見せたチームもいた。

 別室での審査の後、はらたいら審査委員長代理が午後五時すぎに決勝進出の十五校を発表。ステージ前に集合した各校の生徒たちは、自校の名が読み上げられると手を握り合うなどして決勝進出を喜び合った。

 この日、決勝進出を決められなかった残る十五校は、「if(もしも)」のテーマで九日午前九時までに新たな作品を仕上げ、敗者復活を目指す。「アイデアがまだまだで、今夜はとても眠れそうにない。みんなで頑張ります」。スポンサーから差し入れられたカップめんなどの夜食を手に、宿舎へ向かっていた。

 初出場の伊野商高と山田高 初陣飾れず復活目指す

 「ヤッター!」。小躍りするペン児の傍らで、うなだれる部員たち。四校が本選に出場した本県勢のうち、初出場の伊野商高と山田高はいずれも初陣を飾れず、土佐塾高とともに敗者復活戦へ望みをつなぐ結果となった。

 伊野商高は予選のテーマで、「あっ」を選択。「あたり」の「あ」の文字が見えたアイスキャンディーをシンプルに描き、横に「あっ。」。「決勝でこの作品なら」といった声も出るほどの秀逸の一品で本選にこまを進めた。

 「出場が決まって『あっ』。シンプル・イズ・ベスト。初出場が、当たりました」と漫画研究部の久保田美奈部長(三年)。

 「掛け橋」がテーマの本選では、子どもを中心にお父さんとお母さんが手をつなぐ作品を仕上げ、「優勝目指した掛け橋」と意気込んだが、「伊野商」のアナウンスはなし。「疲れた」「おなかすいた」とため息をつきながらも、「きょうは完徹(完全徹夜)。いいアイデアも出てくると思う」と気を取り直していた。

 山田高も予選にドラマがあった。アイデアが浮かばず、村山郁子部長(二年)の家に部員が泊まり込んだ。仕上がったのは消印有効の締め切り日の夕方。郵便局は閉まっており、宅配便の店に走った。閉店一分前。滑り込みセーフで本戦出場を決めた。

 その本選、テーマが発表されると「どこかに落ちていくような感じだった」と村山部長。「これだけはアイデアがまとまらなくって」。周囲をはらはらさせたが、部員が協力し合い十分前には作品を完成させた。

 決勝進出は「五分五分」と踏んだが、こちらも徹夜組に。部員たちは「『if』は敗者復活で出ると思っていたテーマ。まだアイデアがあいまいだから、これからみんなで考えます」と宿舎へと急いだ。

 野球も漫画も甲子園出場 札幌南高

漫画も野球も甲子園出場の札幌南高。気合十分で作品に取り組んでいた(高知ぢばさんセンター)  三度目出場の札幌南高(北海道)は野球部もこの夏、六十一年ぶりに甲子園出場を果たした。うれしい“アベック甲子園”だが、校内での話題は専ら野球部に集中。校舎に垂れ幕が掛かり、華々しい壮行式で送り出された野球部に比べて、漫画研究部の存在は地味。顧問の先生も甲子園の応援の引率に行ってしまった。

 顧問代理の石井信幸教諭(53)は「漫画は詳しくなくて」と競技中ずっとブースから離れていたが、部員の方は気合十分。「野球部は初戦で優勝候補のPLと当たるみたいですね。私たちはただでは帰らない」と対抗意識を燃やした。

 事前に「色塗りは二、三人で」「色は見本に忠実に」などとマニュアルを作成。「時間内で作品を仕上げる予行演習もしてきました」と用意もばっちり。

 見事決勝進出が決まると「やっと寝られる!」。前日は緊張で一睡もできなかったという部員たち。ゆっくり宿舎で眠り、決勝に向けて万全の態勢で臨む。

 【写真】漫画も野球も甲子園出場の札幌南高。気合十分で作品に取り組んでいた(高知ぢばさんセンター)

 ネットの声援続々

 今年初めて登場したのが、携帯電話の「iモード」を利用して、会場と全国各地とが情報交流できるシステム。携帯電話の液晶画面に映し出される画像や文字で、全国どこからでも大会の模様をチェックし、会場の選手たちに携帯電話から応援メッセージを送ることもできる。

 このシステムを利用した激励は、八日だけで五十を超えた。「久留米商、土産はいらんから優勝して笑顔で帰ってこい」「雅之(選手宣誓をした福島高校の佐藤雅之君)、選手宣誓、練習通りうまくいったか! 活躍を期待しているぞ!」といったメッセージを次々と受信。また「五年前にまんが甲子園の本選に出場したメンバーの一人です。皆さん、頑張って」など、先輩からのエールも届いた。


まんが甲子園開幕 一次競技テーマは「掛け橋」

まんが高校日本一を目指して全国から30校、150人の選手が集まった(高知市布師田の高知ぢばさんセンター)  第九回全国高等学校漫画選手権大会(まんが甲子園)が八日、高知市布師田の高知ぢばさんセンターで開幕した。全国三百七十七校の応募の中から予選を勝ち抜いた三十校、百五十人のペン児たちが参加、二日間の熱い闘いの火ぶたを切った。

 午前十時から開かれた開会式では、高知西高吹奏楽部が演奏する入場行進曲にのって、北から南へ順番に入場。丸の内高三年の門田いずみさんが「南国土佐へようこそ。悔いの残らないよう頑張って」と、開会宣言。続いて橋本大二郎知事が「高校野球に負けないさわやかな熱戦を展開してください。よさこい祭りなどを通して交流し、高知で青春のいい思い出を作ってください」とあいさつした。

第一次競技のテーマ「掛け橋」に沿って、作品づくりに取りかかる宮城県の第一女子高校メンバー(高知市布師田の高知ぢばさんセンター)  去年の優勝校、高岡高校から優勝旗が返還された後、選手を代表して福島高校3年の佐藤雅之君が「漫画、それは夢です。その舞台にたてることは感激の極みです。5人が力を合わせ、真紅の優勝旗目指して闘うことを誓います」と宣誓した。

 この後、はらたいら審査委員長代理から一次競技のテーマ「掛け橋」が発表された。選手たちは例年になくしんとした様子だったが、ブースに入ると早速アイデアを出し合い、制作にとりかかった。

 一次競技は午後四時まで。審査の後、出場三十校のうち十五校の決勝進出校が決定。残りの十五校はさらに五校の敗者復活枠を目指し、あすの朝まで闘いを繰り広げる。

 【写真】左上=まんが高校日本一を目指して全国から30校、150人の選手が集まった

     右下=第一次競技のテーマ「掛け橋」に沿って、作品づくりに取りかかる宮城県の第一女子高校メンバー(いずれも高知市布師田の高知ぢばさんセンター)


◇◆◇◆第1日の様子◆◇◆◇

【1】   【2】

#######  会場の声  #######
 ☆「去年は優勝したのに、今年は予選を突破できなかった。悔しい。優勝旗は絶対取り返すぞ。この大会では、(自分たちの)負けが認められるぐらいの作品が出てほしい」
高知・高岡高二年、佐竹博史さん

 ☆「一生懸命、熊本魂さく裂で頑張ります。熊本の方が暑いので、高知は快適です」
熊本・松橋高二年、上村芙二子さん

 ☆「部活やなく、有志が集まって頑張っています。やなせ先生に会いたい一心でここまで来ました。そやから、先生の欠席は結構ショック」
京都・京都高等工芸学校三年、吉平香織さん

 ☆「やっぱり高知は暑いです。空の青さにびっくり。優勝して小野寺先生にカツオのたたきをおなかいっぱい食べさせてもらいます」
岩手・大東高二年、高金ひとみさん

 ☆「小六で日本に来ました。北京にいたころから漫画は大好き。今年の優勝はもらいます」
静岡・浜松海の星高三年、馬寧さん

 ☆「高知大好き。老後は本気で住みたいと思っています。その時まで自然を残しておいてくださいね。室戸の深層水、買って帰ります」
福岡・九州産業大学付属九州高、万谷昭子教諭(45)

 ☆「本選に出られなかったので残念。でも会場の係をして、選手をサポートできるのがうれしい。来年頑張ります」
高知・中央高二年、岡ちひろさん


決勝への通過作品  敗者復活戦  第2日の経過  本戦までの軌跡


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