待ったなし!2002年へ
  ―――――県勢の強化策――

アイスホッケー(下)

初の北海道遠征へ
 高知港に近い公園駐車場。ジャーッ!ジャーッ!と耳慣れない音が響く。街灯の薄明かりの下、カラカラ…と音を立てて蛍光塗料を塗った手製のボールが行き来する。スティックでアスファルト面が激しくたたかれた。パスをよこせ、の合図だ。インラインスケート靴を履いてするローラーホッケーは、アイスホッケーの格好の練習にもなる。

試合のピリオドの合間、プレーを確認し合う「高知アイスホッケークラブ」のメンバー。近づく初の北海道遠征を楽しみにしている(香川県三木町のサンピアさぬきアイスアリーナ)  苦心の練習法

 週二日、愛好者が公園に集まるようになったのは七年ほど前。「高知アイスホッケークラブ」の副主将、明神正典さん(32)=高知市、県信用保証協会勤務=が一人で練習しているところに、スキーの愛好者らが「オフのトレーニングにもってこい」と参加するようになった。

 次第にローラーだけでなく、アイスホッケーにも挑戦する人が増えていった。だから、チームには明神さんのように大学時代に部活でばりばりにアイスホッケーをした経験者だけでなく、スキーからローラーへ、そしてアイスへと「転向」したメンバーも多い。

 しかし、「強化」という面では、ローラーの練習ではなかなか実が上がらないのも事実。インラインスケートは、エッジを利かせてストップやターンをする氷上のスケーティングとは性質が異なる。

 それでも、リンクのない高知では、練習はこれ以外にない。国体スケートで昨年まで成年女子の県選手として活躍した中野京子さん=吾川郡伊野町=もインラインスケートで練習を補っていた。高知でウインタースポーツに取り組む選手たちに共通の苦労がある。

 新たなる一歩

 来年に迫った高知国体。冬季競技は本県で開かれないが、アイスホッケーも強化費は県体協配分の最低ランクながら大きくアップ。それにより、「本場」の北海道へ遠征できることになった。チームは三月三十日から二泊三日の日程で苫小牧、札幌両市を回る。

 これには、監督兼選手の高谷勉さんとDFの木村悟さんの、北海道出身者二人の人脈に負うところも大きい。

 橋本聖子さん(現参議院議員)らスケート五輪選手を輩出した苫小牧市での遠征スケジュールを組んだのは「氷都(ひょうと)」と呼ばれる同市出身の高谷さん。氷の質では日本一とされる同市の「白鳥アイスアリーナ」で地元チームと試合を行い、さらに、日本リーグで活躍した元王子製紙選手らのクリニックを受ける予定だ。札幌市出身の木村さんは、札幌五輪会場となった「月寒体育館」で日本リーグOB選手のチームとの試合、交流会を段取りした。

 「年一回の目標にできればいい。リンクもないのに続けるには、何か楽しみも要ります。それにはやっぱり本場へ行くことでしょう」と高谷さんは話す。北海道との交流の第一歩。「南国・高知」のアイスホッケーにとって大きなエポックになりそうだ。

 【写真】試合のピリオドの合間、プレーを確認し合う「高知アイスホッケークラブ」のメンバー。近づく初の北海道遠征を楽しみにしている(香川県三木町のサンピアさぬきアイスアリーナ)


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