入野 高彰さん(52) 香美郡野市町
昔(むかし)から自然(しぜん)が大好(だいす)きで、子どものころは山や川でいつも遊(あそ)んでいました。大学3年生の時、バイト先の社員(しゃいん)に誘(さそ)われて長野県、山梨県にまたがる八ケ岳(標高(ひょうこう)2,899メートル)に登(のぼ)った時、眼下(がんか)に広がる雲海(うんかい)や、富士山、朝焼(あさや)けに染(そ)まるアルプスの峰(みね)などすばらしい風景(ふうけい)に出会い登山(とざん)の魅力(みりょく)を知(し)りました。
50歳(さい)を人生の転機(てんき)と思い、自然にかかわった仕事(しごと)がしたいと考(かんが)えていたので、49歳で勤(つと)めていた職場(しょくば)を辞(や)め、今の店をオープンさせました。自然に囲(かこ)まれていたいという気持(きも)ちと、趣味(しゅみ)で山登りを続(つづ)けていたことが、この店に結(むす)びついたと思います。
登山には命(いのち)に関(かか)わる問題(もんだい)も出てきます。お店にきたお客(きゃく)さんには必ず登山の目的地(もくてきち)を聞きます。その上でそのお客さんの目的にあった商品(しょうひん)を用意(ようい)します。また山は天気が変(か)わりやすいので、雨具(あまぐ)、速乾性(そっかんせい)のシャツを薦(すす)めます。登山具はその人の命を預(あず)かるものです。それを売(う)る者(もの)としてデザインの格好(かっこう)よさなどで安易(あんい)に売りつけるのではなく、徹底的(てっていてき)に納得(なっとく)してもらうまで商品を選(えら)んでもらうようにしています。
商品の販売(はんばい)や仕入(しい)れが仕事の中心ですが、同好会(どうこうかい)をつくり、温泉巡(おんせんめぐ)りや山登りツアーなども催(もよお)しています。登山は年齢関係(ねんれいかんけい)なく、さまざまな発見(はっけん)や感動(かんどう)を体験(たいけん)できます。多くの人に登山の魅力を伝え、感動を共有(きょうゆう)してもらうために、情報(じょうほう)を発信(はっしん)することも大切な仕事です。
私も多くの人との出会いやつながりがきっかけとなって、今にいたっています。今の子どもはテレビゲームとか家にこもっていることが多いので、もっと外に出ていっぱい遊んで、生涯(しょうがい)を通してやれることや、付(つ)き合える人と出会ってほしいです。
【写真説明】登山商品をお客さんに説明する入野さん(香美郡土佐山田町神母ノ木の仕事場)
(高知新聞 2005年7月3日朝刊)
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