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4.県警があってこそ(2006年2月28日・朝刊)
特別監査の結果が報告された翌日、23日。県庁2階の知事室に、鈴木朝夫・県公安委員長と鈴木基久・県警本部長の姿があった。 鈴木委員長はその日の臨時公安委員会で、県警に内部調査を指示した。その報告だった。 次の日。2人は今度は県監査委員事務局へ向かった。「違法」などと認定された支出を特定するよう監査委員に求めるためだ。 聞き取り調査に当たり、監査委員は不正を証言した捜査員の秘密保持を至上命題とした。自分たちを信頼してくれた捜査員を守るため、監査報告書では個別の支出を一切特定しなかった。 特定すると、証言した捜査員の特定につながりかねない。県警本部と公安委員会の要請は「不正をしゃべった捜査員を教えろ」と言っているのに等しかった。当然、監査委員は反発した。奴田原訂・代表監査委員は、支出の特定を求める公安委員長名の文書を受け取ろうともしなかった。 【写真説明】「違法」などとされた捜査費支出の特定を求め、県監査委員事務局に向かう鈴木朝夫・県公安委員長(右)と鈴木基久・県警本部長(24日午後、県庁北庁舎) ■ ■ 県警と公安委員会はこれまで、「監査委員から不正を指摘されたことはない」のを理由の一つに挙げて捜査費不正を否定してきた。 その監査委員から「違法」と認定されたとき、両組織のトップが示した認識は監査報告への疑義だった。 監査委員事務局を出た後、鈴木委員長は「『違法』とされた監査結果を県警自身が認める根拠が必要」と報道陣に話し、鈴木本部長も「監査報告には納得いかない部分がある」「監査報告の評価は内部調査の結果で判断する」と記者会見で強調した。 端から見ると、2人は一貫して同じスタンスに立っているように映った。それも、あたかも双子のように同じ行動を取りながら。 ■ ■ 法律上、公安委員会は県警の上位組織に当たる。現在は鈴木委員長と、高知トヨタ自動車社長の西山昌男氏、四国銀行会長の浜田松一氏の3人が委員を務める。 鈴木委員長は神奈川県出身で、高知工科大の副学長を務めた後、現在は県が49・9%を出資する県産業振興センターのプロジェクトマネジャー。 外部有識者をトップに据えて県警を「管理」する。それによって、強大な権限を持つ県警の独善や暴走を抑止する―。公安委員会は民主警察の象徴的な存在でもある。 半面、3人の公安委員で、本当に約1900人いる県警の警察官・職員を「管理」できるかどうか。公安委員会活動は、県警本部総務課の室内で同課員らと机を並べる「公安委員会補佐室」が支えている。補佐室の専任職員は、警察官(室長)と警察職員が1人ずつ。委員長らが外出する際は、必ず室長らが随行する。 ■ ■ 全国で噴出した捜査費問題で、北海道と福岡県の公安委員会は警察法に基づく「監察の指示」を発動し、警察に内部調査を求めた。しかし、いずれも警察側が不適正執行を認めた後のことだった。 公安委員会が独自に権限を駆使した例はない。 監査結果が報告された22日。県議会散会後、玄関ロビーで報道陣に囲まれた鈴木委員長は質問攻めに遭いながら、こう言った。 「県警があって、公安委員会があるわけですから」 (捜査費問題取材班) ご意見、情報をお寄せください。〒7808572高知本町局私書箱40号、高知新聞「捜査費問題」取材班。ファクス088・873・8119。Eメールkeisatsu@kochinews.co.jp
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