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立ち会いは認めない

【写真説明】「県民の理解が得られる結果を出したい」と語る奴田原訂・県代表監査委員(県庁北庁舎)
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「組織的不正経理の疑惑は相当に強い」
県警の捜査費文書開示訴訟で、高知地裁は今年5月、本部捜査一課の捜査費疑惑の存在を明確に認定。「疑惑解明の公益性が優越する」とし、県警が非開示とした支出文書の一部開示を命じた。
この判決を受け、県警への特別監査に向けた動きは一気に加速した。 知事が大転換
判決後の6月下旬に開会した県議会6月定例会は、さながら“捜査費議会”の様相を呈した。質問戦に臨んだ各会派が判決内容を踏まえながら捜査費疑惑について、橋本大二郎知事や黒木慶英・県警本部長をただした。
全会派は一致して県議会独自で特別監査を請求する方針を固める。
直後、橋本知事が動いた。
自ら県警関係者に接触して調べた裏金の手口などを具体的に列挙しながら、「過去に不適切な会計処理があったことは間違いないとの心証を得た」と宣言。「これまでの態度を改め、一歩踏み込んだ取り組みをすべきと考えた」と表明した。
疑惑解明に消極的な姿勢を続けてきた橋本知事が、その姿勢を転じた瞬間だった。
7月初め、県議会と知事の双方が特別監査を請求した。対象はいずれも県警本部と高知署。県議会は14、15年度、知事は12―15年度を対象期間とした。 全面開示を要請
民意の代表である知事と県議会双方からの特別監査の請求は全国初。しかも本県は全国で最も早く(一昨年7月)捜査費疑惑が報じられた土地でもある。この問題に対する県民の意識は高い。
つまり、本県の特別監査は格別の意義を持つ。
「前例のない監査になる。われわれも覚悟を決めてやらなければならない」。奴田原訂・県代表監査委員は、胸の内をそう話す。
北海道の監査委員は関係捜査員全員の個別聴取をやり抜き、不正告発を次々と引き出した。道警の厚い壁を突破し、組織的慣行として続いていた巨額の裏金づくりの実態を暴き出した。
愛媛県監査委員は、県警から徹底的な抵抗を受けた。唯一、わずかな開示文書から使途不明金を探り当てた。
激しい抵抗が予想される警察に毅然(きぜん)と向き合う監査姿勢が持てるかどうか。これからは監査委員や事務局自身が試されることになる。
7月末、奴田原氏は県警本部を訪れ、黒木慶英本部長に提出文書の全面開示を要請した。県監査委員事務局と県警は既に提出資料の種類や聴取方法の協議に入っている。
愛媛の失敗から学んだからだろう。高知新聞の取材に対し、奴田原氏は「捜査員の聴取に県警の立ち会いは認めない。発言しやすい環境を作るのが監査の原理・原則だ」と断言した。
さらに、捜査費使途の解明の焦点である「捜査協力者」の真偽も「何らかの確認作業をする」と言い切った。奴田原氏は「県民の負託を受けた監査だ。県民の理解を得られる結果を出したい」と決意を明かす。
今月中旬にも書面監査が始まる。
監査委員4人と事務局17人が“妥協なき”監査姿勢で牙城に迫る。
捜査費問題取材班
社会部・大山哲也
海路佳孝
村上和陽
=おわり
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