(2006年12月7日・朝刊「小社会」)
旧自治省の英語表記を見て驚いたことがある。訳せばそのものずばりの「内務省」。省庁再編後の総務省の表記も、使う単語は異なっているものの意味するところは同じだ。
明治初めに設置された内務省は、強大な権力を持つ中央集権のための組織。連合国軍総司令部(GHQ)は1947年、民主化のために解体を命じた。現在の省庁でいうと総務省、厚生労働省、国土交通省、警察庁などが流れをくむが、総務省には直系意識があるのだろう。
解体に際し、GHQは警察組織の再編で悩んだという。結論は中央集権を排した、国家地方警察(国警)と市などに設ける自治体警察の二本立てだが、分かりにくく混乱も招いたようだ。ちなみに国警本部の初代次長は後の本県知事、溝渕増巳さんだった。
現在の組織になったのは54年。形は東京の警視庁と道府県警という自治体警察を前提にした分権型だが、実態は千葉大教授の新藤宗幸さんが指摘するように国家警察だろう。「上意下達」が基本だから、警察庁を頂点にした中央集権型のピラミッド構造だ。
そこに捜査費問題を重ね合わせると、どんな絵になるのか。元北海道警幹部の原田宏二さんの見方は「裏金問題の対応は統一され」「警察庁が調整している」。きのう内部調査結果を県議会に報告した県警は、「私的流用や上層部の関与は否定し、早期に返還して幕引きを図る」段階になるのだろう。
内輪の論理では「これにて終演」でも、納税者としては「はい」とは到底言えない。
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