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県警捜査費報告 県議会反応に濃淡
組織的な裏金づくりをあらためて全面否定した県警の捜査費執行に関する“最終報告”。6日開会した12月定例会で県警の鈴木基久本部長から報告を受けた県議会は、橋本大二郎知事に一歩先んじて特別監査を請求した立場として何らかの意思表示を迫られるが、最大会派の自民党は捜査費問題の終結を視野に入れる一方、2会派が「疑惑は未解明」と受け止めるなど、反応に濃淡が表れている。 自民党の結城健輔会長は「県警も長い時間をかけて調査結果を出した。今議会で議論して終結する形にし、県警に本来業務に戻ってもらうことが県民のためになる」とする声が会派内の大勢と説明。調査内容については「すべての疑問が氷解したわけではなく、疑義を持つ議員もいる」としながら、「意思表示は議論を踏まえて検討していく」と述べた。 公明党の池脇純一会長も「調査の努力は評価するし、県警が経理上の問題点や誤りを認めたのは前向きにとらえる」との姿勢で、「監査委員の特別監査結果は重く受け止めているが、裏金の存在が完全に立証されたわけではない。議会独自の調査で立証するのも難しく、解明作業には限界があると思う」との考え。 県政会の岡崎俊一代表も「県警の努力は買う」「これ以上の解明は難しい」という認識では一致。報告内容に「単なる事務ミスとは言えないものもある」として県警に懲戒処分も視野に入れた対応を求める考えだが、「議会の調査にも限界があり、捜査費の秘匿性からマスキング(黒塗り)をすべて外した上での再監査も難しいだろう」。 新21県政会の高野光二郎代表は、会計監査の充実など県警が示した改善策は評価しながらも「内部調査には限界があり、県民には疑義が残る内容だろう」とやや厳しい見方。「特別監査報告の内容との乖離(かいり)を含め、県警が県民に説明できるかを見ていく。このまま幕引きにはならない」と含みを持たせた。 一方、9月定例会で再監査や特別監査が「違法・不当」と指摘した金額の返還を求める決議案を提出(いずれも否決)した共産党と緑心会、県民クラブの2会派は、今回の報告にも不信感を示し、疑惑解明を求める姿勢を崩していない。 共産・緑心の田頭文吾郎会長は「隠ぺいのための作文にすぎない。高裁判決でも認定された組織的不正の疑惑が『ない』という説明になっていない」と厳しく批判。「組織的不正がないと主張するなら、マスキングを外した資料を提出し、県監査委員の監査を求めるのが筋だ」と、再監査を求める決議案を再度提出する構えだ。 また県民クの江渕征香代表も「9月に報告された内部調査の踏襲で、疑惑の解明に至るものではない」とした上で、「県警が自らマスキングなどを外さない以上、特別監査報告の方を信頼すべきだ」と強調。会派の意思は、質問戦や委員会での議論を注視した上で各会派の動向を見守りつつ決めるとしている。 【写真説明】内部調査結果を県議会で報告した後、報道陣に取り囲まれる鈴木本部長(6日午前、県議会棟) 「しっかり調査した」 鈴木県警本部長が強調県警捜査費の組織的裏金づくりをあらためて全面否定する内部調査結果を公表した県警の鈴木基久本部長は6日、「できる限り、しっかり調査した結果だ」と強調した。 調査結果を報告した同日の県議会散会後、鈴木本部長は報道陣に囲まれながら、「多数の問題執行の判明は誠に遺憾だ。改善措置をしっかり講じ、しっかりした仕事をすることで県民の信頼を回復したい」と述べた。 疑惑の端緒となった「捜査費執行状況等一覧表」については「日付、金額はかなり一致する部分があるが、多数違うところもある。情報がどこから出たかは判明しなかったが、一覧表は県警内部から(組織的に)出たものではなく、職員が個人的にどうこうしたものでもないということは確認した」と答えた。 捜査費を支払ったとする「捜査協力者」に対する調査を今回も行わなかったが、同本部長は「書面、店舗、捜査員の調査を尽くした上で(組織的不正はないという)結論を出した」とした。 組織的不正を断じた特別監査結果と大きく乖離(かいり)する内部調査結果に県民の理解が得られるのかとの問いには、「真摯(しんし)にやった調査であり、ご理解いただけると思っている」と述べた。 「報告は県民が判断」 奴田原代表監査委員が見解県監査委員の奴田原訂・代表監査委員は6日、県警が特別監査対象外の署の執行状況を自ら調べた点を「一定の自浄作用が働いた結果」としつつも、裏金づくりを否定したままの報告内容については「県民が判断することだ」として論評を避けた。 今回の内部調査の範囲が監査対象ではなかったため「コメントする根拠がない」とも強調したが、県警本部の課別や署別の問題執行件数を一覧表にまとめた資料に年度別、金額別の数字がないことを疑問視。 その上で「既に監査の手から離れている。今後は(市民オンブズマン高知が特別監査で違法・不当などとした金額の返還を求めている)裁判で一つ一つ前進していくのではないか」との見方を示した。 幹部の責任回避 オンブズマン声明県警の内部調査結果に対し、文書開示訴訟などで捜査費問題を追及している市民オンブズマン高知は6日、声明文を出し「真相解明を回避し県警幹部の責任を避けるための『労作』であり、信用できない」と非難した。 同オンブズマンは声明文で「『捜査費執行状況等一覧表』と一致しない部分が多数あると弁明するが、それなら一覧表に該当する部分だけでもマスキングを外して文書を開示し、主張するべきだ」などと指摘。 「一覧表との整合性、県監査委員の特別監査結果報告との乖離(かいり)について、県議会の徹底追及を求め、県警幹部の詐欺容疑での告発を再捜査している高知地検にも強く期待する」と真相解明を要請した。 県警捜査費来年度要求 本年度と同額900万円県警が6日発表した19年度当初予算の見積もり概要で、県費捜査費の要求額を18年度と同額の900万円としたことが分かった。本部会計課によると、18年度の同費執行状況は「10月末時点で執行率30%程度の300万円弱」だが、同課は「短期の執行状況から判断すべきではない。15年四月から今年9月までの平均執行額は年約900万円だ」としている。/
県警捜査費は15年の疑惑発覚後の16年度から国費、県費分とも当初予算額、執行額が急減。県費分は16年度当初予算1800万円に対し、執行額は34・5%の621万円。17年度は当初予算1200万円の47・6%、571万円にとどまった。会計課は「特別監査や訴訟などで、捜査員が捜査費を使いづらい環境にある」などと説明している。 捜査費を含む県警の19年度当初予算要求総額は前年度比3・5%、1億2300万円増の36億700万円。 3カ年事業で着工する中村署新築工事の初年度分6063万円、20年度に導入予定のIC免許証用装置3413万円、インターネットでの拾得物公表システム1113万円、大規模災害時の備蓄食糧(3日分)250万円、留置施設視察委員会の設置費26万円―など。 県警が公表した捜査費の「問題執行」
(2006年12月7日・朝刊)
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