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いつから… (夕刊「話題」)
(2006年10月7日・夕刊)
突入したら、最悪の場合、警察官が死ぬかもしれないという立てこもり事件があったとする。幹部が「部隊を編成する」と言えばどうなるか。警察取材の経験が長いジャーナリストの大谷昭宏さんは、「現場の捜査員全員が手を挙げる。この組織は、まだそういう人間に支えられている」と言った。
私もそうだと思う。
現場は幹部を信頼し、幹部は部下からの尊敬に値するべく自身を磨く。難事件に遭遇しても、幹部の激励で捜査員は休日返上、歯を食いしばり、「この上司のためなら」と事件解決に燃える―。ほかの役所が持ちたくても持てないDNAが県警にもある。これから先も絶対に失ってはならない伝統だ。
しかし代々受け継いできたこの組織の哲学を、県警は幹部自らがぶっつぶそうとしている。捜査費問題で県警が報告した内部調査結果を見てそう思った。
県監査委員が特別監査で指摘した捜査費執行における「問題支出」は約1791万円。一方で県警が内部調査で示した「問題執行」としたのは約347万円。この隔たりが県議会でも議論されたが、問題は数字の差ではない。
県警の報告書に盛り込まれている問題の事例の大半は捜査員の書類作成上の「ミス」として片付けられている。書類の誤記、あるいは誤解、そして記入事項の失念。その上で「教養が十分に浸透していなかった」と結んでいる。「現場の出来が悪いばっかりに県民にご迷惑を掛けました」と読めた。
捜査費問題の発端は「幹部に裏金づくりを命じられた。現場には1円も渡っていない」という現場の叫びから始まった。問題が噴出して3年余り。県警はいつからこんな組織になってしまったのか。(竹内 誠)
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