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高知県警捜査費問題

【捜査費監査】県警は自ら調査せよ

(2006年2月23日・朝刊「社説」)

 「やはり」といわざるを得ない。県監査委員が実施した県警の捜査費に関する特別監査の結果だ。

 監査結果報告が違法・不当、不適切と断じた捜査費の支出は、全体の3分の1強に上る。「不正はない」としてきた県警の主張は否定されたことになる。信頼回復のためには、県警自らが調査し、その結果を県民に明らかにするしかない。

 特別監査は昨年7月の県議会と橋本知事の請求に基づく。不正経理疑惑の存在を強く示唆した高知地裁判決が背景にあるが、疑惑表面化から請求まで2年も経過したのは、知事の解明への消極的な姿勢があったことを指摘しておく必要がある。

 監査委員は、2000―04年度に県警本部と高知署が支出したとする約1万3800件、5141万円余を対象に監査した。調査した店舗は1100店以上、聞き取りをした捜査員らは約360人に上る。

 特別監査を実施した他県では、これほど大規模には調査していない。疑惑解明のため、すべてを対象にした積極姿勢は評価したい。

 監査結果によると、「支出実体がない」「不適正支出」として違法・不正と判断したのが計2・8%、約147万円、「不自然で疑念がある」とする不適正支出が32%、1645万円に上った。決して少ない金額ではない。

 しかも、他の支出がすべて適正だったというわけではない。

 書類に領収書やレシートが添付されていないものが、全体の半数近くもある。入手が難しいケースはあるにしても、公金の取り扱いとしては極めてずさんだ。

 また、謝礼金などを支払ったとする捜査協力者の住所や氏名、接触した場所などを黒塗りにしたり、協力者の氏名をもともと記していない書類や領収書も多数に上る。監査委員の再三の要請にもかかわらず、県警は明らかにしなかった。

 これでは監査委員も支出が適正だったかどうかを調べようがない。監査報告が指摘したように、全国的に不正経理が問題になる中で、県警の捜査費が激減した点からみて、これまでの支出に強い疑念を持つのが自然だろう。

 

使途解明を

 県警はこれまで「不正はない」との主張を続けてきた。だが、公の機関である監査委員が、支出額の3分の1以上について「黒または灰色」と断定したわけだ。従来通りの強弁はもはや通用しない。

 しかも、単に捜査員個々の問題ではない。聞き取り調査で、捜査員は「上司から鉛筆書きを示され、その通りに書類を作るよう指示された」などと証言している。組織的な不正をうかがわせる内容だ。

 あらためて指摘するまでもなく、捜査費は公金だ。違法な支出などが明らかになった以上、県警は自ら調査し、全容を明らかにする以外に県民の信頼を回復する道はない。いわゆる「犯人探し」をするようでは、批判はさらに高まろう。

 県警を管理する立場の公安委員会の役割は極めて重要だ。内部調査を主導できないようでは、その存在自体に疑問符を付けられても仕方あるまい。

 調査に当たっては、監査委員が踏み込まなかった使途の解明が欠かせない。裏金づくりが行われていたとすれば、何に使われたのか。それを明らかにすることなしには、県民の疑念は到底払しょくできない。

 特別監査を求めた県議会の責任も重い。開会した2月定例会で、公安委員長や県警本部長をただすことが第一歩となる。


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