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高知県警捜査費問題

(2006年2月23日・朝刊「小社会」)

 内部の人間には「公然の秘密」でも、外部の目には深い闇をたたえたブラックホール。そんな印象の強い県警捜査費疑惑に迫る特別監査の結果が公表された。

 目を引くのは「疑い」のレベルだった捜査費支出が初めて「違法」「不当」と認定されたことだ。支出の実体がなかったり、明らかに不適正な支出があった。「上手の手からも水は漏れる」。監査委員側はこんな意気込みを語っていたが、地をはうような粘り強い調査で不正の滴を突き止めた感じだ。

 しかし「違法」「不当」の認定は、監査対象全体からするとごく一部にすぎない。「支出に疑念がある」との判断が全体の32%を占める。そうならざるを得なかったのは、県警側の対応による要素が大きい。領収書の不在、文書の黒塗りなどが解明作業を妨げた。

 このくだりはどう読めばいいのだろうか。「報告書で指摘しなかった支出も、必ずしも適正な執行が立証されたものではない」。闇の広がりをうかがわせる。だからこそ報告書は、県公安委員会に内部調査と県民への説明責任を求めたのだろう。

 警視庁OBの黒木昭雄さんが体験を自著に書いている。「各署、各課ではまるで日常業務をこなすように、あらゆる名目でニセ領収書の作成が繰り返されていた」。1970年代から90年代にかけてのことだ。警察の組織全体に通じる悪弊と、本県も無縁ではなかったことになる。

 一般の不法には強権行使もいとわないのに、自らは枠外の存在というのだろうか。民の信は遠い。


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