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捜査費執行停止 宮城知事が怒りの決断(2005年6月24日・夕刊)
宮城県警の捜査報償費(県費捜査費)予算の執行停止という浅野史郎知事の異例の決断の背景には、これまで「捜査報償費が適正に支出されているか確認できない」として何度も調査徹底を要請したのに、県警が応じなかったことに対する激しい怒りがある。(共同)浅野知事は24日の会見で「このまま(捜査報償費を)認めると、予算執行権者の知事の責任にかかわる」と厳しい表情で話した。 浅野知事は、仙台市民オンブズマンが捜査報償費の文書開示を求めた訴訟で月別収支の開示を命じた2003年1月の仙台地裁判決をめぐる県警の対応をきっかけに、捜査報償費の支出状況に疑念を抱き、同年3月には自ら県監査委員に監査要求。捜査員への聴取や文書開示もたびたび要請したが、拒否されてきた。 その間、北海道警をはじめ全国の警察で捜査報償費問題が発生。県警に対しても「尻に火が付いている」(浅野知事)として内部監査の徹底を要求。05年度当初予算でも県警要求額を700万円減額して計上する一方で、「内部監査の結果が出ていない」として、県警の自浄作用に最後の期待を掛けていた。 浅野知事の配慮にもかかわらず、ことし4月、県警は「不正支出はない」とする内部監査結果を公表。浅野知事は「捜査協力者に当たった調査が1件もない。監査の名に値しない」と発言、24日には「適正な予算の執行を確認する手段は閉ざされた」と話し、もはや執行停止をためらわなかった。 「行政の長として当然」 ジャーナリストの大谷昭宏さんの話 仙台地裁が不正経理の疑いがあるとの判断を示し、「事実をつまびらかにせよ」との知事からの要請にも県警は応えていないのだから、行政の長として当然の判断だ。自ら疑義を晴らそうとしないまま「捜査活動に支障が及ぶ」とする県警側の言い分は通らない。不正経理は北海道警や高知県警でも指摘されている。予算執行停止が全国に波及すれば、警察庁が音頭を取って対応せざるを得なくなり、不正経理の撲滅につながる。 「執行停止は正当」 北海道警の裏金問題を追及している市川守弘弁護士の話 警察の裏金は全国で実態が徐々に解明されてきている。宮城県では裁判の判決で裏金の存在を指摘している。県民の代表である知事が自らの権限で予算執行を停止したのは、極めて正当で妥当だ。県警はすべての会計処理について、実態を白日の下にさらすべきだ。それが民主主義だ。これに対し、(真相解明に消極的な)北海道知事は予算執行権者としての義務を放棄して逃げている。 「予算への罰は疑問」 土本武司・帝京大客員教授(刑法)の話 報償費では北海道警などで不正支出が明らかになっており、うやむやにするのは良くない。しかし仮にこれまで違法行為があったとしても、将来の予算にペナルティーを与えるやり方は疑問。また県議会が一度決めた重要な予算を知事が停止してしまうのは議会軽視といえないだろうか。
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