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捜査費開示訴訟 控訴の原告2人に聞く(2005年6月7日・朝刊)
県警の捜査費文書の一部開示を命じた高知地裁判決を不服として、原告の市民オンブズマン高知のメンバーが6日、高松高裁に控訴した。県警の不正疑惑を認定した地裁判決を「画期的」と評価しながら、「捜査費不正は明らか」とあらためて全面開示を求めた。控訴審にどう臨むのか、疑惑解明の手だては―。原告の田所弁蒔さん(72)と高橋正雄さん(64)に控訴審に向けての思いを聞いた。(以下敬称略)――なぜ控訴を。 田所 判決は、私たちが提出した県警本部捜査一課の「捜査費執行状況等一覧表」の証拠能力を否定したものの、「不正経理の疑いは相当強い」と判断する大きな材料とした。具体的な証拠があれば情報公開の道は開けることを示したもので、不正経理追及の大きな力になる点は評価したい。しかし一方で、例外的な一部開示にとどまり、県警が非開示事由に挙げた「捜査への支障」を広く認定した点は見過ごせなかった。 高橋 判決は捜査一課の疑惑は認めながら、捜査二課と暴力団対策課について「疑惑は抽象的」として開示を一切認めていない。つまり、「一覧表」のような疑惑を具体的に示す証拠を提出しない限り、情報公開を認めない判断にもつながりかねない。 田所 私たちは情報公開制度を駆使して行政の不正を追及してきたが、警察には情報公開の光が当たっていない。県警が「捜査への支障」と言えば、具体的な立証なしで言い分が通っている。 ――控訴審で新たに何を訴えるか。 高橋 捜査費不正を実名告発した北海道警の元幹部らの証人尋問も行い、全国でほぼ同じように不正が行われていることを訴えたい。文書が虚偽なら支出の日付や氏名なども非開示にする必要はないはずだ。 田所 裁判官は捜査費の実態を全く知らないから、書面で判断するしかない。内部告発者に生の声で語ってもらうことで、突破口を開きたい。 ――判決は疑惑の存在を明確に示した。県警の疑惑解明の場は裁判所だけではない。 高橋 予算の承認権を持つ県議会もその責務を負っているはずだが、これまでは県警から「不正はない」と言われて、「ああ、そう」と言うだけ。チェック機能を全く果たしていない。 田所 (地方自治法に基づく強い調査権限を持つ)百条委員会の設置が望ましいが、捜査費不正の究明が進んでいる北海道でさえ百条委設置は何度も否決されており、まずは特別委員会の設置が必要だろう。県民が納得できる結果を出してほしい。 ――橋本大二郎知事は「告発者がいれば話を聞く」とは言うが、疑惑解明には消極姿勢だ。 高橋 絶対的な階級社会である警察に「俺に言うてこい」というだけでは、現職もOBも動きづらい。告発者を待つのではなく、自らの意思で動いてほしい。 田所 社会常識から見れば、「おかしいことはおかしい」という思いで対応すべきだ。全く手を打っていないのは理解できない。不審にすら思う。疑惑をこれだけ強く指摘する判決が出たことをもっと重く受け止めるべきだ。 ――オンブズマン側は捜査員を詐欺罪などで高知地検に告発している。 田所 知事や県議会、県公安委員会が本来のチェック機能を果たし、県警全体の組織的な不正の実態を明らかにできれば、現場捜査員の責任ではないことが分かるはずだが、誰も何も追及しない。それなら、幹部から領収書偽造を指示されただけだとしても、現場警察官が責任を取らされてもやむを得ないと考えた。しかし何より、県警が内部調査し、県民に自ら不正を明らかにすべき問題だ。 【写真説明】県警捜査費文書訴訟の原告で市民オンブズマン高知メンバーの田所さん=左=と高橋さん(高知市内)
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