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内部告発者の勝利 県警捜査費判決 追及へ弾み(2005年5月28日・朝刊)
「画期的な判決だ」。原告の田所弁蒔さん(72)は「今後は県議会や県公安委員会が本来のチェック機能を果たし、高知地検もわれわれが刑事告発している詐欺容疑などについてしっかり捜査してほしい」と強調。もう一人の原告の高橋正雄さん(64)も「県民にバックアップしてもらいながら不正を解明していきたい」と呼び掛けた。 原告側代理人の清水勉弁護士=東京弁護士会=は、オンブズマン側が独自入手して証拠提出した「捜査費執行状況等一覧表」の評価が一部開示命令につながったと判決を評価した。 「記載されている複数の捜査員が高知新聞に不正を具体的に証言したことが大きかった」と指摘。「匿名での告発であっても、裁判所は現場警察官の苦労に理解を示した。この判決は法解釈の勝利ではなく、不正があるという事実の説得力による勝利だ」と述べた。 その上で「一覧表を持ち込んだ内部告発者の勝利であり、不正はやめるべきだという現場警察官の思いが届いた結果だ」と力を込めた。原告の一人も「不正追及の最大の武器は内部告発だと立証された」と、これに続く新たな内部告発に期待を寄せた。 一方、判決は捜査費文書を「県情報公開条例の非開示事由に当たる」と判断。「条例解釈ではこちらの主張がことごとく退けられた」(清水弁護士)とし、非開示が相当だと判断された個別支出の執行日や捜査一課以外の文書の開示を求めて控訴の意向を示した。 清水弁護士は「捜査二課と暴力団対策課について同様に踏み込んだ判断をしないのは理解不能。全課で不正が行われていると考えるのが論理的だ」と批判を加えた。 【写真説明】一部開示の判決を受け会見する清水勉弁護士=左端=と、原告の市民オンブスマン高知のメンバー(高知市の高知城ホール)
県警側 「判決文読んでない」一方、県警側は同日午後、村田達哉警務部長が県警本部で記者会見を開き、「当方の主張が一部認められず残念だ」としながら、「判決文をまだ詳しく読んでいない」と判決内容について具体的なコメントを拒んだ。村田警務部長は「今後については関係機関と相談して対応したい」などと短い文章を朗読しただけで、その後は「判決をよく読んだ上で考えたい」「現段階でのコメントは控えたい」と繰り返すのみ。 判決で求められた疑惑の調査や県民への説明責任についても、「これまでも説明に努めており、今後も責任を果たしたい」。「今も捜査費不正はないと思うか」との質問には、「会見の質問は判決内容についてのみだと聞いている」と回答を拒否した。 この後開かれた定例記者会見で黒木慶英本部長は、「私は『従来の監査などで不正が疑われる事実は把握していない』と言ってきた。不正の疑いを指摘されたのは残念だ」と述べ、判決文を検討した上で、県警の見解を説明する機会を設ける意向を示した。
橋本知事 「重く受け止める」27日の地裁判決を受けて、橋本大二郎知事は「判決の全文を読んだわけではないので、軽々しいことは言えないが、一審判決とはいえ、捜査費にかかる組織的な不正経理の疑いを『相当に具体的』だと認めた判断は、重く受け止めざるを得ない」とコメント。さらに「県警には(判決に対する)説明責任を果たしてもらいたい。県としてもより一層の関心を持って臨みたい」とする考えを示した。
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