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知事と警察 (夕刊「話題」)
(2005年3月1日・夕刊)
高知県警が否定し続ける捜査費の不正請求問題で、県警の予算執行権を握る橋本知事の姿勢がずっと気になっている。
〈県警は議会で不正を否定した。それを信じるのは不合理なことではない。(不正の)根拠を示してもらえれば調査のしようもあるが、私は調べるつもりはない〉
橋本知事はここまで、こんな考え方で通している。17年度予算でも捜査費は要求額通り認め、「県警本部長には適正処理を要請している」と繰り返す。
捜査費の不正請求は、現職警察官の実名による告発などで、他道県では「事実」になった。それを黙視するかのような橋本知事の姿勢はなぜか。
この疑問の背景に「あの1件」を指摘する人が少なくない。一昨年の春、二男の強制わいせつ・逮捕監禁事件が発覚。結果は被害者と示談に至ったというが、この事件が影響しているという見方だ。
橋本知事は一貫して行政の透明性向上に取り組んできた。しかし、こと警察にはそれを求めようとしない。その落差にこんなうがった憶測が出てくるのだろう。
捜査費問題は、以前浮上した内閣官房や外務省の機密費と同じ。そこは情報公開の矢が及ばないブラックボックスだ。聖域化され、監視の光が届かないから、とんでもない公金の使い方がまかり通る。捜査費の不正使用は現場と幹部の溝も深め、組織を腐らせる具ともなる。
「県民や国に発言する時に、説得力が失われはしないか」
二男逮捕の会見時、知事はそんな心境を吐露した。その思いを乗り越えて今の4期目があるのではないか。「警察としがらみのある知事」と目されては、知事自身、やり切れまい。(須賀仁嗣)
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