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【不正経理】 信頼は生まれるのか(2004年11月23日・朝刊)
警察の捜査費など不正経理をめぐる問題がきのう、2つの警察でひとつの節目を迎えた。北海道警は、1998年度から2003年度の6年間に捜査目的外に不正に支出した捜査用報償費などは約7億1000万円とする最終調査結果を道議会に報告した。利子を含めた約9億1000万円を道や国に返還するとしている。 また、福岡県警は、不正支出や使途不明の捜査関係費が、1996年度から2000年度までに約1億7000万円との報告書を県議会に提出した。利子を加えた2億円ほどを国と県へ返す。 しかし、これですべてが終わるわけではない。今後、監査委員の監査結果との整合性や、警察の内部調査の正当性が問われることになる。内部調査である以上、厳しい視線が向けられるのは当然のことだ。 また、再発防止へ会計処理手続きの透明性を高めることは欠かせない。ひとつの節目は、次の課題解消への始まりにすぎない。 言うまでもなく、警察は不正を取り締まる側にある。それにもかかわらず不正がまかり通ったことは、よほど抜本的な改革をしなければ、不正が繰り返されると受け止められる。これでは信頼は生まれない。 税金の不正支出が市民を裏切っていることは明白だ。捜査への影響は避けられない。社会の安全に対する住民意識が強まる中で、住民との連携を自らが断ち切っては治安維持の期待にこたえるのは難しい。信頼回復は地道な取り組みが必要だ。 不正経理は特定の警察だけの特殊な事案と思われないことに病巣の根深さがある。日常的、組織的に行われていた不正であり、ほかにあると憶測する方が自然だ。実際、ほかにも高知や静岡、京都などでカラ出張を含め疑惑が発覚している。 高知県警の捜査費虚偽請求問題は、関連文書の開示を求める訴訟で現職警察官ら3人が高知地裁で証人尋問を受けた。3人は適正執行を主張したが、一方で幹部側と現場捜査員側で説明が食い違う点があり、証言の不自然さを露呈した。 県警の捜査員には、本来捜査に向けるべきエネルギーが浪費されていることに、いらだつ声があるという。しかし、疑惑に決着をつけるべき内部調査は行われていない。 警察が市民の信頼を受けて本来の使命を果たすには、不要な重荷を降ろすことだ。組織の姿勢こそが重要な鍵となる。
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