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’04出直し知事選「県論」 市民オンブズマン 田所弁蒔氏(71)(2004年11月16日・朝刊)
――市民オンブズマン高知の活動が10年目に入りました。オンブズマンは政治活動をしないというのが原則。団体としての意見でなく、私の見方ということが話の前提です。今回のことで言えば、辞職勧告をする状況には至ってなかったと思うし、知事も辞める必要はなかった。疑惑の究明が終わっていないのに、議会も知事もそこをあいまいにしたまま、ほら辞めろ、そら辞めた、ではね。 ――情報公開を通し、県政のいろんな部分を浮き彫りにしてきましたね。 オンブズマンができたのは平成7年、橋本県政が2期目に入る年。開示資料を見ると、そのころ県のいろんな部局が「土木行政の円滑な推進」とか言って、連日のように料亭とかで県議と飲み食いしてる。役人と県議の密談、癒着。時期的には当然、坂本ダムの話もその中に出ていたはず。それを議会も執行部も今までもたれ合って伏せてきた。それが実態でしょう。 ――情報公開はかなり進んだ。前知事の果たした役割をどう見ますか。 覚書の公開とか、あれ全国初。橋本さんがいろいろ積極的にやってきたことは確かですよ。ただ、官官接待。あれ橋本さんは当初、官官接待も必要、みたいなことを言ってたんです。しかし、県民の見方が厳しくなった。県民の声に押されて、という側面はあったと思う。彼自身がどれだけ考えていたか。ただ、彼には県民の声を取り入れる柔軟さはある。情報公開条例を10年に改正しましたが、それまで執行済み、決裁済みのことしか公表されなかったものを行政運営の「過程の情報」まで広げた。私たちの主張も受け入れた。 ――評価できる、と。 評価します。ただ、カラ出張の問題などで県職員が責任をどう取ったかと言えば、橋本県政では責任は取ってない。これから先を見てくださいと。闇融資の問題も橋本さん自身は解明に積極的には動かなかった。その姿勢が、今もあまり変わってないんですよ。巨大な組織の内部にメスを入れるにしては甘かった、力不足だったと言わざるを得ない。入札制度を改善したり、外郭団体の整理をしたり、闇融資問題発覚以降もいろいろやってきましたが、僕から見れば、もっとやれるはずのことがやれていない。県警の捜査費問題でも、なぜ特別監査を要求しないのか、とか。もうひとつ、突破力がね。 ――県政の変化をどう見ますか。 誰が知事になっても高知の状況が大きく後退することはないと思う。住民の機運なり、活動手法なりを広めてきた点が橋本県政の良かった点。今までは情報が役人と議員の中にあった。だから議員や有力者に物事を頼んできたけど、議員が存在しなくてもやっていける「直接民主主義」的なパターンができてきた。 ただ、市町村単位で見たら、まだ昔の体制が残ってる。特定の議員や有力者ににらまれるから問題の追及ができない。だから「オンブズマンが代わりにやってくれ」と。ものが言えない状況はまだある。 ――現状改善のために必要なことは。 政治倫理条例、これを制定してほしい。県と契約する業者の役員には県議本人はもちろん、2親等以内の親族は就けないとか、そうした業者からの献金は受けないとか。今回の問題では知事も疑われた。一方の議会もそれほどに立派なことが言えるはずがない。今度のことを通して、最終的に県政がもう一つ高い所へ収れんできるか、どうか。条例案はもう準備してる。選挙が済んだら議会に請願するし、知事にも要望する。どう反応するか。楽しみにしてます。 ……………………………………… たどころ べんじ 高岡高定時制卒。元土佐市民病院職員。市民オンブズマン高知事務局長。土佐市出身。
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