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警察官ら証人出廷 「うそ言わされている」幹部OB、現職捜査員が心情(2004年11月8日・朝刊)
昨年7月に発覚した県警の捜査費虚偽請求問題は、高知地裁で5日開かれた捜査費関連文書開示訴訟で、現職警察官ら3人が証人尋問を受ける事態に発展した。3人はいずれも「捜査費は適正に執行した」としながら、幹部側と現場捜査員側で説明が真っ向から食い違う点もあり、証言の不自然さを露呈した。犯罪容疑者を追及する側の県警が今、自らの疑惑をただされる側に立たされている。県警幹部OBと現職警察官が本紙の取材に、その胸の内を話した。 署長や本部の所属長を歴任したあるOBは、現職時代に部下に偽造書類で裏金づくりを指示したことを認めた上で、今回の証人尋問について「後輩たちに法廷でうそをつかせるようなことをさせて、本当に申し訳ない思い」と話す。 さらに、「署長時代に官舎で開いた宴会も裏金を使った。幹部の冠婚葬祭、退職時のせんべつもそうだった」と自らがかかわった裏金の実態を明かしながら、「(3人は)上司からの指示でうそを言わされていることは容易に想像できる。警察はそれぐらいはする」と言い切る。 県民から疑惑の目で見られている県警の現状に対しても、「裏金問題を改めてこなかった私らの責任だ」と重ねて自戒の思いを吐露。しかし一方で、「家族にも後ろめたさを感じている。世間体もあり、OBであっても匿名でしか話せない」と唇をかんだ。 また、問題表面化後の周りのOBの反応についても「裏金を全く私的に使った幹部もいた。でも何の反省もなく、『裏金を暴いた記者が悪い』という人さえいる」と明かし、元同僚たちの態度に表情を曇らせた。 一方、現職警察官の中からも、現場の捜査員まで法廷に立たされ、証言を求められる事態になったことへの不安や、県警の対応に対する反発も噴き出している。 「上司の指示で、(偽造書類を)書いたことがある」と認める捜査員の1人は、「裏金づくりをやらされたことがない捜査員を捜すのが難しい。(証人出廷が)『あすはわが身』と考えると怖い。組織は守ってくれない。県警の正体を見た思いだ」と訴える。 複数の捜査員が虚偽請求を認めたと本紙が報じた県警本部捜査一課の前総括補佐は、証人尋問で「誰が記者に言ったのかは調べていない」とした。しかし、この捜査員は「(当初から)内部では誰がしゃべったか、という犯人捜しばかり。いまも『最初に言ったのは誰だ』なんてやっている。本来の犯罪捜査に注ぐべきエネルギーが身内に向けられている。ほんまにいやな職場だ」と吐き捨てた。 また、3人の証言内容に対しても、「向き合うべきは裁判官じゃなく、県民だ。3人にうそをつかせて、何とか擦り抜けようという組織の意図がありありだ。茶番だ」と批判。 関係者が高知地検に刑事告発されていることを理由に、「捜査妨害と言われかねない」と内部調査をしようとしない県警の姿勢にも、「不正を認め、内部調査をして返金すべきだ。このまま深みにはまったら、私たちは単なる『うそつき集団』だ」と反発。「今回の訴訟で仮に文書開示を命じられ、それを基に再び尋問されたらどうなるのか。今度こそ言い逃れできない」と不満をぶつける。 捜査員は胸につかえていた思いを一気に吐き出すように、最後にこう言った。「横領や詐欺事件を、どんな顔をして摘発しろというのか」
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