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県警捜査費文書開示訴訟 証人尋問詳報(2004年11月6日・朝刊)
5日、高知地裁で開かれた県警捜査費関連文書開示訴訟で、平成14年度当時の本部捜査1課総括補佐と捜査員2人に対する証人尋問の主な内容は次の通り。
▼前総括補佐 協力者名は書かぬ【原告(オンブズマン)側質問】――高知新聞の今年3月10日付朝刊に、捜査1課の複数の捜査員が取材に対し「捜査費は一切受け取っていない」と答えた記事が出た。記事内容を県警で検討したか。 質問の意味が分からない。 ――自分のところの警察官から寄せられた話だ。(原告側が捜査1課の内部資料として提出した「捜査費執行状況等一覧表」に記載された)9人の捜査員の中の複数だ。当然「誰が言った」になるのでは。 特に調査していない。 ――高知新聞がでたらめな記事を載せたとしたら、大問題だ。 はい。 ――なら、なぜ調べないのか。 記事の内容が分からないからだ。 ――捜査員は「捜査費を受け取ったことはない」と話した。あなたの(適正に執行したとの)陳述書とは正反対で、どちらかが大うそつきだ。(記事が本当なら)警察官の信用が失墜する。なぜ調べないのか。 記事が事実かどうか分からない。 ――捜査員本人に確認すればいい。この捜査員らは偽造書類を作り、犯罪行為を行ったことになる。あなた方の仕事は犯罪捜査でしょ。 そうだ。 ――あなたは今年から監察官だ。監察官は内部の不正を調べるのが仕事だ。(捜査員は)監察の対象になっていないのか。 なっていない。 ――なっていない? 捜査員に事情を聴いたが、「適正に執行している」ということだった。 ――怖くて聴けないのではないか? (沈黙) ――捜査協力者に金を渡していないなら、捜査するのが普通だ。 (沈黙) ――社会一般には厳しい捜査をしながら、身内には甘いのか。 (沈黙) ――それじゃ(捜査費は)やりたい放題ではないか。 (沈黙) ――記事を見ても犯罪だ。しかも身内。なぜ捜査できないのか。 「一覧表」に基づく質問は職務上の秘密なので答えられない。 ――(オンブズマンから詐欺などの疑いで)検察庁に刑事告発された複数の捜査員が「捜査費をもらっていない」という。これから証言に立つ2人は捜査費をネコババしたのか。2人は素晴らしい刑事だと聞いている。あの人たちを守らずに、あなたは誰を守ってるのか。 守っている。捜査員に確認したら「適正に執行している」と言った。 ――捜査員に高知新聞の記事を訂正させるよう指示したらどうか。 (沈黙) ――警察官が肩身の狭い思いをしている。それが思いやりなのか。 記事にあるようなことはないと思っている。 ――それで現場の警察官の気持ちは晴れるのか。(証人の捜査員)2人は「何で自分らがここに立ってるんだ」という顔をしていた。 (沈黙) ――告発された捜査員から事情を聴いたか。 「適正に執行している」ということだった。 ――誰に聴いたか。 捜査1課員すべてだ。 ――(捜査員に交付する)捜査費の金額の幅はどれぐらいなのか。 職務上の秘密なので答えられない。 ――一般的なことだ。 職務上の秘密だ。 ――宮城県警では1件当たりの(捜査費の)支出金額は一定だが、高知県警ではどうか。 基準はない。 ――金額はどうやって決めるのか。 情報内容や(協力者の)協力の度合いで決める。 ――情報の重要性は(課長に提出する)支出伺に書くのか。 記載しない。 ――「支出事由」には何を書くのか。 事件名だ。 ――これだけでは誰に(謝礼を)払ったか分からない。 分からない。 ――どこの誰に払ったか分かっている場合でも、その人の名前や住所は出てこないのか。 出てこない。 ――(支払精算書を示して)、この支払い事由には何を書くのか。(事件名のみが書かれた北海道警の精算書を示し)こういう書き方か。 そうだ。 ――誰に(謝礼を)払ったかは書いていないのか。 書いていない。 ――協力者が名前を書くのを拒んだ場合、どんなことを書くのか。 ケース・バイ・ケースだ。 ――支出伺にも、支払精算書にも相手の名前が出てこない。領収書がなければいくらでもネコババできるのでは。 名前を書くとどういう身の危険が及ぶか、相当具体的に書いている。 ――協力者に拒否された場合、領収書が真正だとどう確認するのか。 捜査員から報告を受ける。 ――捜査員が誰かに頼んで書いてもらっても分からない。 そんなことはない。捜査費の執行状況を確認するし、協力者の名前の報告も受ける。 ――一覧できるように記録していないのか。 口で聞くだけだ。詳細を確認している。 ――平成14年と15年を比較すると、県警の犯罪認知件数は軒並み増えている。特に重要犯罪は増えているのに、国費捜査費は約454万円から約211万円に半減。今年1、2月は5分の1ほどに減った。何でこんなに減るのか。 事件処理に時間がかかるものもあった。 ――高知新聞の報道が影響したのではないか。 分からない。 【被告(県警)側質問】 (質問なし) 【裁判所側質問】 ――捜査1課に捜査費のやりとりをしている刑事は何人いる。 20―30人ぐらいだ。 ――捜査費のやりとりのデータは保管しているか。 していない。 ――高知新聞の記事は県警の誰かが話したことになっている。内部で調べなかったか。 事情を聴いたが、「適正に執行している」ということだった。 ――(誰が高知新聞に話したか)特定できなかったのか。 できなかった。 ――捜査員に質問したか。 そこまでは聴いてない。 ――結果的に新聞記事が真実ではないということか。 そうだと思う。 ――(記事訂正の)申し入れはしてないのか。 していない。
▼現職捜査員 名前も住所も書く【原告側質問】――(複数の捜査1課捜査員が虚偽請求を認めた)高知新聞の3月10日付朝刊の記事を読んだか。 読んだと思う。 ――新聞記事は真実だと思うか。 分からない。 ――あなたには捜査費が全部払われていると。 はい。 ――払われているなら、なぜ高知新聞に抗議しないのか。 そういう立場にない。 ――総括補佐は「適正に執行した」、現場捜査員は「もらってない」と言う。どちらかが犯罪をしている。あなたも疑われるのでは。 私は適正に執行している。 ――この記事であなたも疑われるのでは。 心外だ。 ――上司に、高知新聞に訂正を求めるよう申し入れたか。 していない。 ――(支出伺書を示して)見たことあるか。 ない。 ――(支払精算書を示して)この文書は。 同じようなものは見たことがある。 ――この文書に書いたことは。 ある。捜査費を使ったときに書く。 ――「支払い事由」の項目には何を書くのか。 協力者への謝礼や接触の内容、どこで接触したか場所を書く。 ――総括補佐の説明と違う。書いたことがないのでは。 ある。 ――ここに、支払先の名前や住所も書くのか。 書く。 ――これも総括補佐の説明と違う。ところで、県警が開示した捜査費の支払い証拠書のうち、月別の受け入れ額と支払額が黒塗りになっている。開示すれば捜査にどう影響があるのか。 分からない。 【被告側質問】 ――情報公開で何を公開するかを、課に照会するのはどのクラスか。 総括補佐以上だと思う。 【裁判所側質問】 ――高知新聞の3月10日付朝刊で、(内部の)調査を受けたり、事情を聴かれたことがあるか。 ない。
▼OB捜査員 刑事告発は不名誉【原告側質問】――高知新聞の記事で捜査員が「捜査費を一切受け取っていない」と。どう思うか。 こんなことがあるのかと思った。(不正が)あれば正さないかん。 ――あなたはどんな場合に(協力者に)金を払ったのか。 協力者との人間関係が大事で金をどうこうはなかった。大きな事件で、上司に報告して金(捜査費)をもらう。 ――信頼関係はなくても金さえ積めばいい、ということはあるか。 そういうことはない。 ――何年、刑事をやった。 38年だ。 ――謝礼の金額はどう決めるのか。 上司からそのまま下りてくる。 ――金額の幅は? 覚えていない。 ――自分で払ったことを思い出せないのか。 人間関係で金を使う場合は少ない。捜査上の問題もあり、後輩もおり、私の判断で答えていいのかどうか。 ――(高知新聞の)記事のことで、上司から話を聞かれたか。 ない。 ――刑事告発されてどう思うか。 不名誉だ。 ――(支出伺書を示して)この書類に書いたことはあるか。 ある。 ――あなたが書いたのか。 僕は書かない。 ――38年も(警察に)いて、書いたかどうかも思い出せないのか。 見たとは思うが、分からない。 ――(支払精算書を示し)この書類は。 見たことがある。 ――支払い年月日や支払い事由などがあるが。 思い出せない。 【被告側質問】 略 【裁判所側質問】 ――検察庁の調べを受ける前に、捜査費の疑惑についてほかの人と打ち合わせたことは。 ない。
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