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【新聞週間】 世論への使命を胸に(2004年10月18日・朝刊)
国家が戦争へと加速していく中では、その流れに逆らわない「集団思考」が生まれやすいのだろうか。 イラクには大量破壊兵器が存在する―誤った情報をもとにした分析を信じ込んだ米政権は、対イラク開戦へと突き進んだ。だが、その後の調査で大義名分は崩れ去った。 威信が傷ついたのは米政権ばかりではない。米国屈指の有力紙ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストが、大量破壊兵器をめぐる記事や報道姿勢に誤りがあったと自己批判した。大量破壊兵器があるはずだとの考えにとらわれ、結果として開戦の片棒を担いでしまったという。 同時中枢テロ後の特異な状況下とはいえ、両紙は多角的な論点を提供できず、世論形成の使命を十分果たせなかった。この事例は、日本の新聞などのメディアにとっても大きな問題を提起する。 小泉首相はいち早く開戦を支持し、世論を二分する自衛隊のイラク派遣を推し進めてきた。平和憲法の根幹を揺るがしかねない一連の流れに対して、メディアはどう対処してきたのか。検証し直してみなければならない。 また近年は、大勢の取材者が殺到してプライバシーを不当に侵害する「集団的過熱取材(メディア・スクラム)」をはじめ、報道被害への批判が高まっている。 人権意識が高まる社会にあって、記者にプライバシーへの配慮と取材倫理が、これまで以上に求められるのは当然だ。日本新聞協会が2001年、メディア・スクラム解決に向けた見解をまとめるなど、努力も重ねている。 ただ、権力に対する監視は緩めてはならない。報道批判に乗じて権力側にはメディア規制を狙う動きもあるが、報道の自由を縛ることは、国民の知る権利をも侵害する。情報統制の苦い過去の教訓を胸に、権力の横暴を止めなければならない。 「不正を知って書かないことは、不正に加担するのと同じ」。こうした考えから、高知新聞は県警の捜査費問題を追及している。読者のために伝えなければならないこと、求められていることを、常に考え県民の信頼に応えていきたい。 新聞は速報性でテレビやインターネットに劣るが、記録性や分析・解説などの役割が重要と言われる。問題点をどう掘り下げて世論の喚起につなげるか。県紙としての使命をさらに果たしていく方策を探求していく新聞週間としたい。
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