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県民の信頼支えに読者とともに歩む 新聞県民意識調査

(2004年9月2日・朝刊別刷)

 高知新聞創刊100周年に合わせ、本紙に関する意識、実態、要望などを把握し、今後の新聞製作や読者サービスに対する資料とするため、高知新聞社が行った「新聞に関する県民意識調査」の結果概要と分析は次の通り。

 

▼正確性 40歳以上過半数評価

 信頼される新聞であり続けるには記事の正確さが欠かせない。本紙が「正確に報道しているか」の設問に、「そう思う」と答えた人は55・4%。日本新聞協会が昨年行った新聞の評価に関する全国調査を8・5ポイント上回った。逆に全国調査では2割近かった「そうは思わない」が、本紙は3・2%だった。

 肯定派は40歳以上の年代で過半数を占め、60代で59・5%、70歳以上で61・5%。年齢が上がるほど高い評価を得ている。「どちらともいえない」の中間層が多い30代は肯定派が48・2%、20代は42・8%にとどまり、若い世代の評価はやや厳しい。

 肯定的な評価は女性が男性よりも5ポイント高く、高知市(52・0%)と県西部(54・2%)以外は平均値を上回った。

 

▼社会性 唯一全国調査下回る

 「社会の一員として知っておかなければいけない情報を十分に提供しているか」―。ローカルニュースから政治、経済、スポーツ、娯楽など総合情報紙としての評価を問う設問では肯定派が55・7%。信頼度を尋ねた一連の質問(7項目)で全国調査(62・4%)を唯一下回った。

 ただ否定派は3・9%と全国調査より少なく、「どちらともいえない」「わからない」と判断に迷っている人が多い。

 満足度が高かったのは70歳以上で62・3%。満足している人が過半数に満たなかったのは20代(46・8%)と30代(47・7%)。女性の肯定派は57・7%で男性は53・3%。若年層や男性がやや物足りなさを感じているようだ。商工・サービス業自営や農林漁業などは肯定派が多いが、現業職は44・8%にとどまった。

 

▼公平性 少数意見に目配りを

 「いろいろな立場の意見を公平に取り上げているか」の設問は「そう思う」が39・4%。全国調査(38・4%)をわずかに上回った。「そうは思わない」は6・3%。

 高知市周辺部は46・6%と肯定派が最も多かったが、同市は36・8%にとどまるなど地域によりばらつきがある。高齢層の評価は高いが、「どちらともいえない」「わからない」と答えた人が6割以上を占めた30代以下では、肯定派が3割前後(20代27・2%、30代32・6%)と低い。

 職業別では農林漁業が最も肯定的で54・0%。逆に現業職などは評価が厳しく、管理職・自由業は15・3%が「そうは思わない」と回答。価値観の多様化が進む一方、行政施策をめぐる利害も複雑多岐になっているだけに、これまで以上に少数意見にも目を配る報道姿勢が求められている。

 

▼人権配慮 求められる細心の注意

 ジャーナリズムに課せられた重要なテーマである「報道と人権」。報道される側の人権やプライバシーへの配慮に細心の注意を払うことが求められる。本紙への評価は、肯定派が40・5%で全国調査を3ポイント上回り、否定派の4・2%は全国調査(22・1%)を大きく下回った。一方、「どちらともいえない」は24・7%、「わからない」は30・6%で判断を保留するケースも目立った。

 その中で肯定的評価は70歳以上で45・1%と高く、逆に20代は28・9%にとどまった。地域別では高知市周辺部で肯定派が5割を超えたが、同市などでは4割に満たず、人権の尊重はもとより地域社会の中での匿名の必然性など、常に報道される側の立場を念頭に置いた判断が問われている。

 

▼信頼性 6割近くが支持

 「ひとことで言って、現在の高知新聞の記事は信頼できるか」については、58・8%が「そう思う」と回答。全国調査(48・0%)と比較すると信頼性への評価は10・8ポイント高い。

 女性は61・1%、男性は56・0%が評価。すべての地域、職種で肯定派が5割以上を占め、「そうは思わない」は2・1%にすぎない。本紙が多くの県民の支持によって支えられていることを裏付けた。

 正確性、社会性、公平性、人権配慮、品位性、客観性、信頼性を問う一連の信頼度調査では、本紙との付き合いが長い高齢者層ほど評価が高く、20代、30代の若い層は関心度や満足度がやや低い傾向にある。唯一の地元紙として、各世代各層の県民の信頼に応える報道姿勢と質の高い紙面作りへなお一層の研さんが求められている。

 

▼客観性 保っている42・3%

 「高知新聞の報道は客観性を保っているか」との問いには、42・3%が「そう思う」。全国調査より5ポイントほど高かった。女性より男性、若年層より高齢層が客観的な報道姿勢を保っていると考えている人が多い。

 客観性に否定的な考えを持っている人は3・5%で、50代では評価する人が平均値を上回る一方で「そうは思わない」と注文を付ける人も4・7%いた。

 職業別では農林漁業の肯定派が51・6%でトップ。次いで事務職・技術職、専業主婦などの順。商工・サービス業自営、現業職は4割足らずだった。県東部や高知市周辺部は肯定派が多く、同市や県中西部、県西部も4割が肯定的。「そうは思わない」とする人は郡部よりも都市部に多い傾向がある。

 

▼品位性 肯定・満足度50・7%

 「記事が興味本位に流されず新聞としての品位を保っている」と肯定的に評価するのは、50・7%で全国調査を7ポイント上回り、「そうは思わない」も2・3%にとどまるなど、ニュースの価値判断や伝え方に一定の理解が得られている。

 男女ともほぼ平均値と変わらない安定した評価。年齢別では50代以上で肯定派が5割を超え、30代以上の否定派は1、2%台。ただ20代は否定派が4・0%。活字離れが指摘されて久しい若年層が魅力を感じる紙面作りが求められる。

 高知市では5割が、同市周辺部でも6割が肯定派だが、県西部ではやや肯定派が少ない傾向にある。誇張した表現や見出しを避け、地に足の着いた報道姿勢を徹底する必要がある。

 

▼イラク報道の信頼度 本紙53%、テレビ44% 評価保留4割弱

 小泉内閣が「人道復興支援」の名目で断行した自衛隊のイラク派遣は、「戦地か非戦地か」という議論を超えて自衛隊の海外派遣を固定化していく事態となり、邦人の人質・殺害事件なども国内世論を揺るがせた。

 一連のイラク報道への信頼度を高知新聞とテレビの比較を交えて聞いた結果、感情に流されがちな報道が目立ったとする見方は、高知新聞に対して11・7%、テレビでは36・8%。逆に「そう思わない」は高知新聞47・6%、テレビ32・1%で、概してテレビに対する採点が辛い。

 一方、問題点や背景に迫れていたかどうかについては、肯定的評価の割合が高知新聞27・7%、テレビ33・8%で、テレビに対する評価がやや上回った。

 全体として報道内容が信頼できるとの評価は、高知新聞53・0%、テレビ44・4%。速報性や臨場効果に優れる映像メディアに対し、活字メディアの解説機能が信頼度を一定押し上げているとみられるが、「わからない」とする評価の保留が高知新聞、テレビとも4割弱に上る点に留意する必要がある。

 イラク問題は、日米基軸の安全保障政策と国際貢献のバランスや質実を国民に問い掛けている。その是非に結論を出しにくいことが報道評価にも反映されているかもしれない。

 

▼日常性 「役立つ」8割台

 日常生活に役立つ情報を十分提供しているかは、地域に密着した地方紙としての一つの命題。本社と支社総局のネットワークによるニュースの提供はもちろん、死亡や求人を含めた広告、「伝言板」などのニーズも高いと考えられる。

 調査の結果は、「提供している」37・6%、「まあまあ提供している」43・1%で、肯定的評価が8割台に達している。

 肯定的評価が平均値以下の7割台だったのは、職業別で学生・無職や現業職、農林漁業。年代別では20代、30代、70歳以上、地域別では県東部、県西部だった。県民の日常に必要な情報は何なのか。それを見過ごさないためには今後とも読者との対話が欠かせない。

 

▼多メディア化 情報選択の指針に

 本県のブロードバンド(高速大容量)通信サービスの世帯普及率は、今年5月で17・2%と前年比7・4ポイント増。インターネット利用は日常化しており、テレビや雑誌などを含めた多メディア化が進んでいる。

 そうした中、「高知新聞は不可欠な情報源だと思う」は56・8%。「そうは思わない」の11・5%を大きく上回ったが、インターネット利用が多いとみられる20代では4人に1人が「どちらともいえない」と答えており、情報源の多様化が浮かび上がっている。

 今後の新聞の課題は、記事のネット配信など情報化への対応はもちろんだが、はんらんする情報を取捨選択する「主観」をいかに磨き、「指針」をいかに示していくか。取材の深さや記事の確実性が一層求められている。

 

▼調査報道 「闇融資」などに評価高く 読者の後押しを実感

 県の闇融資事件や県警の捜査費問題など本紙の調査報道に対する評価は「大いに」「まずまず」を合わせて71・7%。評価しない不満派は2・7%と少なく、4人に1人は「どちらともいえない・わからない」と回答しているが、おおむね評価は高い。

 闇融資事件は、副知事以下の幹部職員が背任罪に問われる全国でもまれな事態に発展。丹念な取材の積み重ねで、政策判断の名の下に特定の個人や団体へ公金を不合理、秘密裏に投下していくいびつな行政体質を追及した。捜査費問題では、聖域化した公金の使途に切り込み、困難な取材の中で今なお強大な権力機構と向き合っている。

 「どちらともいえない―」は20代でほぼ4割、地域別では県東部と県西部で3割を超えたが、調査報道はジャーナリズムの基本。取材者は実践の中でその意義をかみしめる以外になく、読者の評価が最大の後押しになることを実感させられる。

 

▼読者の意見・要望 十分反映している42%

 本紙は「声ひろば」「読者テレホン」など読者参加型の紙面展開のほか、「読者センター」で日常的に読者からの意見や要望に対応。さらに、平成13年9月に創設した「新聞と読者」委員会では社外識者から取材や報道の在り方について直言を受けている。

 読者の声を「十分に反映した紙面づくりができているか」との問いに、「そう思う」と答えた人は42・0%。「そうは思わない」の3・7%を大きく上回った。ただ、「どちらとも言えない」「わからない」が過半数を占めており、読者が手放しで評価したとは言えない結果だ。

 客観性や公平性の判断が独り善がりになっては読者の信頼に応えられない。少しでも多くの声を紙面に反映させるには「聞く姿勢」を一層大切にする必要がある。

 

▼北朝鮮拉致報道 7割以上「節度」を評価

 北朝鮮の拉致問題は小泉首相の訪朝以来、複雑な曲折を経てきた。帰国した被害者5人の周辺事情は一様でなく、拉致被害者の「家族の会」も日本の外交姿勢に不満を抱き続ける。

 今なお全面解決にはほど遠い状況だが、本紙の報道姿勢が興味本位でなく節度を保てているかどうかについては、概して肯定的な評価が得られている。

 評価するは「大いに」と「まずまず」で72・7%、否定的評価は「あまり」「まったく」を合わせてわずか2・2%だった。「どちらともいえない・わからない」は25・0%。肯定的評価の割合は性別、年代、地域を通してほぼ同じ傾向にあるが、職業別では現業職(64・4%)、学生・無職(67・0%)でやや低い。

 《調査方法》

 (1)期間 7月12―23日の12日間

 (2)方法 無作為抽出による留め置き法

 (3)対象 県内100地点、20歳以上の県民1500人

 (4)有効回収数(率) 1457人(97・1%)

 (5)実施機関 高知新聞企業情報開発局調査部

 (6)回答サンプル構成

 ▽性別=男性46・1%、女性53・9%

 ▽年齢別=20代11・9%、30代15・0%、40代15・5%、50代22・0%、60代18・0%、70代16・0%、80歳以上1・6%

 ▽地域別=高知市41・2%、高知市周辺部17・1%、東部8・4%、中西部19・6%、西部13・8%

 ▽職業別=農林漁業8・5%、商工・サービス業自営12・1%、事務職11・7%、技術職8・1%、現業職18・5%、管理職3・0%、自由業1・0%、専業主婦15・5%、学生1・1%、無職19・1%、その他1・2%

 《質問と回答》(数字は%)

 ◆高知新聞は世の中の出来事を正確に報道していると思いますか。

 そう思う      55・4

 そうは思わない    3・2

 どちらともいえない 20・1

 わからない     21・3

 ◆高知新聞は社会の一員として当然知っていなければならない情報を十分に提供していると思いますか。

 そう思う      55・7

 そうは思わない    3・9

 どちらともいえない 18・3

 わからない     22・2

 ◆高知新聞はいろいろな立場の意見を公平に取り上げていると思いますか。

 そう思う      39・4

 そうは思わない    6・3

 どちらともいえない 25・6

 わからない     28・7

 ◆高知新聞は報道される人の人権やプライバシーに気を配っていると思いますか。

 そう思う      40・5

 そうは思わない    4・2

 どちらともいえない 24・7

 わからない     30・6

 ◆高知新聞の記事は興味本位に流れず、品位を保っていると思いますか。

 そう思う      50・7

 そうは思わない    2・3

 どちらともいえない 20・7

 わからない     26・4

 ◆高知新聞の報道は客観性を保っていると思いますか。

 そう思う      42・3

 そうは思わない    3・5

 どちらともいえない 24・6

 わからない     29・6

 ◆ひとことで言って、現在の高知新聞の記事は信頼できると思いますか。

 そう思う      58・8

 そうは思わない    2・1

 どちらともいえない 19・3

 わからない     19・9

 ◆高知新聞は日常生活に役立つ身近な情報を十分提供していると思いますか。

 提供している          37・6

 まあまあ提供している      43・1

 あまり提供していない       0・8

 提供していない          0・4

 どちらともいえない・わからない 18・1

 ◆テレビや雑誌、インターネットなど多様なメディアの中で、高知新聞は不可欠な情報源だと思いますか。

 そう思う      56・8

 そうは思わない   11・5

 どちらともいえない 15・9

 わからない     15・9

 ◆高知新聞は読者の意見や要望を十分に反映した紙面づくりをしていると思いますか。

 そう思う      42・0

 そうは思わない    3・7

 どちらともいえない 25・8

 わからない     28・5

 ◆高知新聞は県の闇融資事件や県警の捜査費問題など調査報道に努めていますが、どのように評価しますか。

 大いに評価する         30・7

 まずまず評価する        41・0

 あまり評価しない         2・1

 評価しない            0・6

 どちらともいえない・わからない 25・5

 ◆自衛隊派遣、邦人人質、邦人殺害などイラクでは日本がかかわるさまざまなことが起きました。イラク戦争をめぐる一連の出来事に関する高知新聞とテレビ、それぞれの報道についてどう思いますか。

 ●感情に流されがちな報道が目立った

 〈高知新聞〉

 そう思う  11・7

 思わない  47・6

 わからない 40・7

 〈テレビ〉

 そう思う  36・8

 思わない  32・1

 わからない 31・1

 ●問題点や背景に迫る報道が多かった

 〈高知新聞〉

 そう思う  27・7

 思わない  27・2

 わからない 45・2

 〈テレビ〉

 そう思う  33・8

 思わない  29・7

 わからない 36・5

 ●全体的に信頼できる報道内容だった

 〈高知新聞〉

 そう思う  53・0

 思わない   7・5

 わからない 39・5

 〈テレビ〉

 そう思う  44・4

 思わない  18・3

 わからない 37・3

 ◆北朝鮮の拉致問題に関して、高知新聞は興味本位にならないよう節度を保った報道姿勢に努めていますが、どのように評価されますか。

 大いに評価する         18・9

 まずまず評価する        53・8

 あまり評価しない         1・7

 評価しない            0・5

 どちらともいえない・わからない 25・0


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