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(2004年3月11日・朝刊)
ほぼ完成した高知地方裁判所などの新庁舎が、きのうの本紙朝刊のグラフで紹介されている。正面玄関や各室のドアにガラスをふんだんに使い、採光にも配慮している。
この明るく、開放的な造りとは対照的に、県警を覆う霧は濃くなるばかりだ。捜査費問題で複数の捜査員が虚偽請求の内実を赤裸々に語った。書類は捜査協力者名を含め、すべてでっち上げ。捜査費の捜査は「操作」に通じていた。
階級社会の圧力を背に不正請求を働き掛ける上司。間違っていると分かっていても「掟(おきて)」に従わざるを得ない部下。上層部のどこかで費消される「捜査費」。実名告発に踏み切った北海道警元最高幹部が指摘した不正の構図と驚くほど似通っている。
うり二つで思い起こすのは検察の調査活動費問題。不正疑惑を告発した元検察幹部は、その端緒は高知地検時代の体験にあったと証言している。その高知地検が、捜査費問題では捜査員を聴取する役回りに。
事情聴取は必要かつ正当な行為だが、先の捜査員はこうも言う。「検察だって調査活動費の疑惑がある」。聴取内容が県警に伝わるのをしきりに気にしている。物言えば唇寒し、なのだろうか。何とも奇異な光景。差し込む陽光を遮る厚い壁があるかのようだ。
内部告発者を守る公益通報者保護法案が閣議決定された。主に企業不祥事を対象にしているが、野党側は官の不正を対象にした対案を参院に提出した。底なしの捜査費疑惑を目の当たりにすると、対案にも深い意味がある。
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