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高知県警捜査費問題

“協力者”「謝礼知らない」 資料記載の全員が受領否定

(2004年3月11日・朝刊)

 県警の国費捜査費虚偽請求問題で、県警が謝礼を支払ったとする“捜査協力者”は全員が受け取りを否定していた―。高知新聞社は昨年、入手した本部捜査一課の「捜査費執行状況等一覧表」で支払先として記載された協力者名と住所から、電話帳を基に同姓同名の人物に受け取りの有無を直接確認。取材に応じた人はいずれも受け取りを全面的に否定し、捜査費の存在自体「全く知らない」と回答した。捜査費を支払ったことになっている捜査員も「(捜査費の支払いは)すべてうそ」と証言しており、虚偽請求をあらためて裏付けた。

 一覧表は14年4―10月の国費捜査費の執行状況を記載。捜査員9人が高知市内の公園や飲食店で計42回、同市と南国市に住む27人の協力者に接触し、情報提供の謝礼として1回につき1万円から7万円の現金や飲食代を支払ったことになっている。

 協力者は「債主」欄にフルネームと住所を大字まで記載。本紙が一覧表を入手した当時の電話帳で確認すると、同姓同名の人物が両市に58人いた。

 取材の結果、捜査費が執行された14年以前に5人が死亡していることが判明。死亡者以外で取材できなかった8人は、一覧表記載の捜査員との接触時期より前に県外などに転居していたり、捜査費をもらうとは思えない警察官の家族も含まれていた。また協力者の住所には「高知市潮江町」という実在しない地名まであった。

 直接取材に応じた45人は、全員が謝礼の受け取りや捜査員との接触を全面否定。一覧表にある捜査員について、いずれも「全然知らない。会ったこともない」と答えた。

 捜査費に関しても「警察からお金がもらえるんですか?」「なんで私の名前があるんですか?」と記者に問い返すなど、全く心当たりがないと明言。協力者とされた人物が電話帳に載っていないケースがあることを考慮しても、45人中1人の協力者も実在しないという極めて不可解な結果となった。

 県警はこれまで「捜査費の領収書などは、情報提供者の身に危険が及ぶ恐れがある場合などは偽名を使うこともある」と説明している。

 

黒木本部長 事実解明は地検に 本紙報道「精査する」

 県警の捜査費問題で10日、黒木慶英・県警本部長が本紙の取材に応じた。黒木本部長は、捜査員が虚偽請求を認めたとの本紙報道について「事実解明は高知地検に委ねるしかない」としながらも、「記事の内容を精査したい」と語った。

 黒木本部長は本紙の指摘について「『捜査費は適正に執行した』の一点張りで突っぱねるつもりはない。記事の内容を精査して、県警として検証できることは何なのかを考えたい」と述べた。

 ただ、刑事告発されている捜査員らへの聞き取り調査については「聞き取り調査はできない。地検の捜査が進められている段階であり、われわれは当事者だ。捜査妨害と受け止められかねない。(本紙の報道内容が)事実かどうかは地検の捜査に委ねるしかない」とした。

 また、捜査員が地検から聴取される前、捜査一課幹部が口封じをしたとの本紙報道については、「口封じはなかったと承知している」と否定した。


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