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「でっち上げ書類作った」 捜査員一問一答(2004年3月10日・朝刊)
県警本部捜査一課の国費捜査費虚偽請求問題が表面化してから8カ月。捜査員が重い口を開いた。捜査員は慎重に言葉を選びながらも、時折、苦悩の表情を浮かべて自らの心境、県警に対する思いなどを約2時間にわたって語った。本紙記者とのやりとりは次の通り。【写真説明】虚偽請求と口封じ工作の内部告発を受け、県警はどう対応するのか(高知市丸ノ内2丁目の本部庁舎) ――14年4月から7カ月間で、内部資料の捜査費執行状況一覧表では9人の捜査員が、計約196万円の捜査費を使ったことになっている。 すべてうそ。でっち上げだ。領収証や精算書が入った茶封筒が捜査員に渡される。別の紙に下書きがしてあって、(架空の)捜査協力者の氏名や金を使った場所はその通りに書いた。 ――捜査費を受け取ったことはないか。 ただの一度もない。もらっていたらこんなことは言わない。 ――申請した金は何に使われていたのか。 分からない。ただ「刑事部長の飲食費や交際費に使われている」という話は聞いたことがある。幹部たちが何かに使っていたのだろう。上司に「何に使ってますか」なんて聞けない。 ――虚偽の書類と分かっていてどうして書いたのか。 腹は立つが昔からの慣例だ。上司に言われると、間違っていると分かっていても反論できない。それが階級社会である警察だ。 ――なぜ、本当のことを言う気になったのか。 どうして不正がまかり通るのか。さも当たり前のように書類の入った茶封筒を捜査員のところに持ってくる。書かずに放っておいたら「早く書け」と催促までしてくる。幹部の人間性を疑う。高知新聞が不正を指摘して以降も、県警はまるで反省がない。懸命に仕事をしている現場の刑事が、幹部の犯罪行為の片棒を担がされるのはもう耐えられない。 ――こうして話すことに迷いはなかったか。 もちろんある。家族のことも心配だ。しかし、警察は犯罪を取り締まるところだ。このままではそれこそ県民に「税金泥棒」と言われてしまう。悪いところは改めなくてはならない。県民に胸を張れるような組織に生まれ変わってほしい。 ――オンブズマンが告発しているが、地検からの呼び出しはあったか。 あった。 ――それはいつか。 言えない。 ――どういう立場での聴取だったのか。 容疑者だった。 ――どう思ったか。 これまでまじめに刑事をやってきたのに、情けない気分になった。心外だった。1銭も使ってない自分らが容疑者になることに憤りを感じた。 ――聴取の内容はどうだったのか。 担当の検事は、はなから「適正に執行してますよね」という調子で、疑ってかかる様子はまるでなかった。県警と話ができていると思った。 ――地検の聴取に向けて何か指示はあったのか。 捜査一課の総括補佐から指示された。細かいことは言えないが、要するに「うそをついてこい」ということだった。口裏合わせであり、隠ぺい工作だ。 ――地検には本当のことを話したのか。 言いたかったが、言えるわけがなかった。 ――しかし、それでは何も変わらないのではないか。 批判するのは簡単だ。 ――どうして真実を言えなかったのか。 検察だって調査活動費の疑惑がある。しかも証言しようとした幹部は口封じのように逮捕された。本当のことを言えば、地検から県警に「誰が何を言ったのか」が、絶対に筒抜けになる。実際、調べを受けた検事の下で県警の捜査員が事務官として研修中だった。そんな状況でどうして本当のことが言えるのか。県警は裏切り者に必ず報復する。地検が信用できなかった。 ――県警に対して何か言いたいことはあるか。 こういうことで告発されること自体が不祥事だ。幹部が責任を取るべきだ。特に最高幹部の刑事部長は、何食わぬ顔でもうすぐ定年退職する。こんなことがあっていいのか。現場の刑事は悪くない。裏金をつくっていた幹部こそが責任を取るべきだ。日常の仕事から自分たちの不正の尻ぬぐいまで、何でもかんでも部下に押し付けるな。警察官として人間として「恥ずかしくないのか」と問いたい。 ――県民に対しては。 捜査員も一人の人間。組織には弱い。そこのところは分かってほしい。幹部が謝罪すべきだ。
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