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高知県警捜査費問題

【警察不正経理】 全国で徹底調査を

(2004年3月6日・朝刊)

 警察の不正経理疑惑が広がる中、今度は静岡県警のカラ出張が明るみに出た。

 同県警によると、警務部総務課が1995年度、約940万円を不正請求し、捜査員の激励費や慶弔費などに流用。使途不明金は約250万円に上る。さらに食糧費も約101万円が不正支出だった。

 同県警は使途不明金などに利子を加えた約510万円の返還を当時の幹部に求める方針だ。だが、返還すればそれで済む話ではない。徹底した事実の解明と再発防止が求められる。

 手口は経理担当が幹部の指示で架空の旅費請求書などを作成したというものだ。カラ出張は同課の旅費支出件数の半分近くに達する。組織的な不正流用の実態がうかがえ、95年度だけの話とは考えにくい。

 また、組織的な裏金づくりという点では、高知県警や宮城県警、北海道警で表面化した捜査費をめぐる疑惑と同様だ。静岡県警でも総務課以外の部署で行われていた可能性が否定できない。

 かつて、カラ出張などを使った不正支出・流用は、全国の多くの自治体で問題となった。それを踏まえると、警察の不正経理は既に明るみに出た道県警や部署に限らない問題とみた方がよさそうだ。

 警察庁は全国の都道府県警本部長に対し予算執行の適正化を進めるよう通達するとともに、道警の疑惑を解明している予算執行検討委員会で静岡県警の問題解明にも取り組むという。

 だが、問題が全国に共通する可能性がある以上、すべての都道府県警を対象に実態を徹底的に調査することから始めるべきだ。

 犯罪を取り締まるべき警察組織が大々的に不正を行うという極めて深刻な問題だ。しかし、今回の静岡県警の不正表面化がオンブズマンの文書開示請求がきっかけとなったように、自浄への意識は乏しい。捜査費疑惑では「捜査に支障を来す」と後ろ向きの姿勢しか見せない。

 これでは国民の警察不信は高まるばかりだ。犯罪捜査などへの悪影響だけでなく、税金の不正支出という点からは納税意識にさえ影響が出かねない。

 この際、徹底的にうみを出し切るべきだ。組織にとっては大きな痛手となろうが、信頼回復にはそれしかない。中途半端な幕引きは、かつて本県がカラ出張問題で経験したように、将来に禍根を残すだけだ。


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