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【捜査費疑惑】 真相解明から始まる(2004年2月16日・朝刊)
警察の捜査費などの不正支出疑惑に対し、警察庁が重い腰を上げた。 全国の警察で捜査費の適正な支出を確保することを目的とした予算執行検討委員会を、警察庁内に設置したのである。 元北海道警幹部が裏金づくりを証言したことを受けた措置で、警察庁が不透明な捜査費の実態を究明する組織を設置するのは初めてだ。同委員会が疑惑解明にどこまで踏み込み、不正の温床をどう根絶するのか。警察の真価が問われる重要な取り組みとなろう。 捜査費をめぐる裏金づくりの疑惑は、高知県警をはじめ、宮城県警や北海道警で浮上、警察の信頼性にかかわる重大問題として、社会の注目を集めている。 委員会設置の引き金になったのは元道警幹部の証言だ。道警旭川中央署長や釧路方面本部長を歴任した元幹部が記者会見し、道警が長年にわたり捜査報償費を流用するなどの手口で、組織的に裏金づくりをしていた実態を明らかにした。 元幹部によると、裏金は国費の旅費、捜査費、道費の報償費、参考人旅費を不正に流用してつくられていた。副署長らが裏帳簿で管理し、署長交際費や懇親会費、警察庁など上級官庁や議会などの接待に使われていた。事件のでっち上げやカラ出張もされていたという。 すべてが証言通りとすれば、かなり悪質な組織的犯罪だ。証言者が道警の中枢にいた人物で信ぴょう性が高いだけに、放置できるような事案ではない。警察庁が対応組織を設置するのは当然のことだ。 焦点になるのは、同委員会の姿勢だ。委員会で主に検討されるのは、捜査協力者への謝礼の会計処理方法や監査態勢のようだが、それらの改善は、これまでの不正を徹底的に調査した後に始める必要がある。 裏金の使途に「上級官庁の接待」も挙げられている。上級官庁には警察庁も含まれる。過去をうやむやにすると、不正にかかわった者同士の「出来レース」と取られかねない。 捜査費などの流用は、刑法に照らすと有印公文書偽造、同行使、詐欺などの犯罪に当たる。今回の疑惑は、不正を取り締まる側が公然とこれを行っていたという極めて重大な問題だ。警察庁はその点を肝に銘じなくてはならない。 警察への市民の不信がこれ以上高まらないよう、毅然(きぜん)とした態度で真相を究明し、再発防止に向けて組織を改革するべきだ。
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